いけのみさこ

母が亡くなってそろそろ10年。ようやく自分の感情を言葉にできそうです。 ネガティブなこ…

いけのみさこ

母が亡くなってそろそろ10年。ようやく自分の感情を言葉にできそうです。 ネガティブなこともそうでないことも、思いつくまま書いて整理してみよう。

最近の記事

天狗の鼻

母はひとの話しを一旦聴くということを決してしないので、どんな話もたいてい腰を折られて思いもよらぬ方向へ捻れていく。 私が子どもの頃、学校であった面白い話をしていたはずなのに、途中で母は 「え?先生にそんな馴れ馴れしい口をきいてるの?」 と言い始め、私は、礼儀知らずの恥ずかしい子だと責められて結局「ごめんなさい」と謝る羽目になったりした。 母はしばしば私の鼻の先に握りこぶしを持ってきてポッキリ折る仕草をして 「天狗の鼻が伸びてる」 と言った。私が楽しい気分のときに限って、なぜか

    • 私の化けの皮とは

      「あんたは本当は冷たい人間だ。よく覚えておきなさい。」 「周りが騙されたって、私の目は騙せない。いつかその化けの皮が剥がされるから、覚悟しておきなさい」 母が6歳だった私に投げつけた言葉だ。 なぜ母はそんな事を言わなければならなかったのか、自分に子どもが生まれたら私にも理解できるかもしれないと思っていたが、とうとう分からないままだ。 言い放った当人は、娘たちが成人して仕事に就き、結婚して親になったり離婚したりという時の流れの中で、一人だけ幼児のような承認欲求を爆発させ続けな

      • 動き出しをくじく猫