思考停止のスマホ社会
私が保育士になったばかりの20年ほど前。
カメラ付き携帯電話はあったが、画面は白黒か、カラーになりたての頃。
スマホはなかった。
どんな工作をしようかな。
運動会ではどんな競技をしようかな。
考えるヒントになったのが1冊1000円近くする保育雑誌だった。
事務室にも借りられるような色褪せた保育雑誌が置いてあったり、どうしても欲しい時は購入したりもしたし、職員間で貸し借りもした。
定期購読している先生もいた。
少ない給料から仕事の為にさらに出費するのが惜しくて色々頭を悩ませたものだ。
保育だよりは手書きが主流。
イラストを描き写すために、イラスト集も買った。
いいアイデアをお借りしては、「自分のクラスの子どもたちにはできるかな、時間内には終わらなそうだから少し簡単にしようか」などとアレンジして準備をしたものだ。
今の保育士さん達は事情が違うらしい。
動画で情報を集める。
保育雑誌で探していた頃の数十倍、数百倍の情報量だ。
しかし、探してきてこれが正解だとばかりにそのまま出してくる人がいる。
情報を見る、選ぶ、ここまでは早いが、自分の頭で考えようとしない。
折り紙の大きさはどうしようか。
指先訓練のために少し小さめにした方がいいかな?
わからないから先輩にも相談してみよう。
このような事がない人が多いように感じる。
スマホから情報を引っ張り出してくる事に慣れると…というより、そのような社会しか知らない世代からすると
「何言ってんだ?このオバサン。時代遅れだな」と思われているのかもしれない。
自分の頭で考えるということを意識しないと、考える事を放棄してしまうのが人間の脳なのだろう。
我が子たちにも「自分で考えて動く」と言う事を少しずつ日常生活の中で訓練させていきたい。
毎日の積み重ねが社会人になってから役に立つように。
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