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フジコ・ヘミングと絵

猫が好きで
タバコを愛し
絵を描くことを楽しみ
旅をしながら演奏活動をした
ピアニスト フジ子・ヘミング

先日、92歳という人生を全うし逝去されました。

ピアニストとして活動されていたのと同時に
絵を描くことは最高の楽しみと話すくらい
色彩も素晴らしく美しい絵を描いていたのです。

[フジ子・ヘミング]
1932年ドイツのベルリンで生まれる
スウェーデン人で画家の父と
ピアニストでもあった日本人の母を持つ
フジ子・ヘミングは
戦時中は岡山県に疎開。戦争の壮絶さと悲しみを経験し、渡航してからも自分の国籍はなく
聴力を失いながらも演奏活動を続けるなど
かなり壮絶な人生でした。



どこに住んでも国籍がなく、自分が何人なのかわからなかったとドキュメンタリーの中で話しています。

衣装も自分で作ったり、アンティークの家具が好きだったりと、暮らしぶりも話し方もかなり個性的で
独特な存在感。

日本では、奇跡のラ・カンパネラで一躍有名になりましたが
それまで何年も金銭的な苦労や数々の苦難を乗り越えながら活動を続けてきたようです。


彼女の演奏は
テンポや表現方法が独特で
譜面通りではありません。

プロなので、技法はもちろん素晴らしいのですが
それ以上に心に響く無垢な音を奏でる数少ないピアニストだと感じていました。
異彩を放つ音源に吸い寄せられるように
CDを買った方も
いらっしゃるのではないでしょうか

演奏を聴いてどれだけ心が揺さぶられたか。
心が洗われるという言葉がありますが、
陳腐な表現になりますが、魂の癒し。
言葉で癒されるとはまた違う、
音での癒しがあることを知りました。

音楽は響となり、純粋無垢な魂の叫びが
魂を揺さぶり無意識に涙が溢れてくる

ドキュメンタリーも素晴らしかったですが、
何よりも印象的なのは日本の住居が下北沢だった事です。都内の数々のセレブな街ではなく
元々の住まいでもあった下北沢の家を売るでもなく、貸すでもなく住んでいました。


2000年公開の映画
ざわざわ下北沢にも出演されていました

U-Nextより抜粋 

この映画で好きなシーンかあります。
下北沢という場所を
人間という、謎が多い生き物、人生の真理に
例えています。


何も考えないで広がるに任せた
雑然とした街のつくりは
時にとても美しさを感じます。
人のもつ、乱雑な汚さのようでいて

鳥が花を食べたり、猫が見事な動きで飛び降りるように無意識な純粋さやきれいなものな気がする。

ざわざわ下北沢

敬愛するフジ子さん。こころよりご冥福をお祈りします

お読みくださりありがとうございます。

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