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誰かの頑張りをほんのり感じることが自分の活力になったりするよね。

その助産院ではゼラニウムのアロマがいつも焚かれていて、優しいオルゴールミュージックがかかっている。いつもニコニコの優しい先生がマンションの一室で1人でやっている。先生に乳絞りされながらいつも子供の話をする。今日は、そこでぼんやり感じた話。

おっぱいの話です。

たまに「おっぱい」と気軽にポップに言い過ぎてギョッとされてしまい、反省するのですが。
授乳、その行為が当たり前になりすぎていて(子どものお腹を満たしてあげるという人間の行為だけど)突然、おっぱいだなんて、失礼します。
もし嫌悪感を抱いた方いらっしゃいましたら、ページを閉じていただけると。

***

特に初産の授乳は、慣れるまでは本当に大変なもので、乳首がちぎれる人もいる。母乳が出なくて悩む人も、逆に出すぎて困る人もいる。
生まれてすぐは夜中も関係なく2~3時間ごとにあげなくてはいけないし、時に苦痛だけど、おっぱいを飲んで満足そうな表情を独り占めする瞬間は、幸せそのものなのである。

そんな授乳と切っても切り離せないのが乳腺炎である。
乳腺炎とは、乳腺が母乳で詰まってうまく出なくなることで、胸の一部が石みたいにカチカチになって、ひどい時は悪寒がして熱が出る。疲れがたまっていたり、需給バランスがあわなかったりしたら、わりかし普通に詰まる。

そういう時に助けてくれるのが助産院だ。助産師は出産のサポートをしてくれるだけではなく、乳腺炎になったおっぱいをほぐして乳腺を開通させるという手技を持っている。

私は3人母乳で育てていて、近所に行きつけの助産院がある。来月初めての誕生日を控えた3人目の断乳が見えてきたかな、という、つい先日、私は冒頭のシーンにいた。夜中に悪寒が走って熱が出た。3人目の出産後初めてだった。久しぶりだなと朦朧としつつ助産院に電話するとすぐに診てもらえることになった。

1人目は1歳6ヶ月、2人目は1歳ちょうどで断乳した私は、3人目の断乳をどうしようか考えている矢先だった。授乳中はアルコールが飲めない。だから早く断乳したいなという気持ちもある。

でもどうしても、私には聞きたい言葉がある…。

私のおっぱいは4年前「めいめい」だった

1歳というと、まだ喋れない。単語を喋ったりするけど、泣いたり首を振ったり手で押したり、そんなレベルでしか伝える術がない頃。
けど、1歳過ぎの長男は明らかに私のおっぱいのことを「めいめい」と呼んでいた。
5歳の今では流暢に喋る長男にも、そんな時期があったのだと懐かしく思う、死ぬまで忘れたくない単語の1つだ。

断乳。これはやったことがある人にしか分からない。寂しさ、決意、赤ちゃんからの成長、開放感、泣き喚く赤ちゃんにおっぱいをやれない辛さ、涙、色々な感情が入り乱れてそれは本当に大変なことだ。インスタでも「#断乳レポ」なんて調べると経験談がたくさん出てくる。

次男の断乳を私は急いだ。仕事の時間を確保するためだ。
実はその頃長男も母乳を飲んでいて2人一気に抱えて授乳する「タンデム授乳」をしていたため、体力的に厳しかった。
...その時は、仕事のことで頭がいっぱいだった。夫や周りの人にいかに自分の仕事を評価してもらうとか、業績を上げるとか、週に一回くらい私だって残業したり飲みに行ったりしてもいいよね。とか。
そんなこんなで、私のおっぱいを命名する前に次男には無理矢理やめさせたんだよな。

三男はなんて名前を付けてくれるんだろう

そんな事を考えていて、助産院の先生との会話の中。
ここに通っているママの子ども達はおっぱいに名前を付けたりしてるのかな~って聞くと、「パイパイ」とか「ピッピ」とか、色々だね~って教えてくれた。

***

え、なにそれ可愛い、可愛すぎる。
なんていうか、すんごくまとまらないんだけど、先生のその、よその親子の話を聞いて、ここに通っているママが、誰かは知らないけど、すごく、子育てを頑張っているんだと身近に感じた。
「パイパイ」や「ピッピ」は、ママがたくさん悩み、選択をし、子どもと1対1で向き合ってきた軌跡だ。

なんとなく、私も仕事しているから、もうすぐ授乳も終わりよね。みたいな空気が夫婦間には最近漂っていた。
でも、「パイパイ」や「ピッピ」に励まされ、私は三男がおっぱいに名前を付けてくれるまでは授乳したい…!と思った。

今、仕事はもちろん大切だけど、子どもが豊かに育つ、とか、家族が心地よく暮らせる、ということを人生で最重要視しているから。
少し子育てにも、子どもがいる生活にも慣れた今だからこそ、急いで断乳しなくてもいいのかなぁ。もちろん、夜中もぐっすり眠りたいし、お酒も飲みたいけど。どうせ夜は3人まとわりついてぐっすり眠れないんだから、今しかない子育てをもっと楽しみたいなぁ。
なんて思った、今日この頃なのであった。

自分の納得のいく子育てと、仕事を両立できる環境に感謝しないといけないなと思った。


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ありがとうございます!嬉しすぎます。
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1984年兵庫県西宮市生まれ。 都内在住、3児の母(5歳・3歳・0歳)フリーのプランナー・クリエイティブディレクター・コピーライター。ビジネスと子育てを心地良く行ったり来たりする生活。noteではエッセイを。ありふれた日常の中での気持ちの動きを残しておきたくて。
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