メンタルヘルス・ファーストエイド認定 Part 3

っと、続編です。

研修プログラムの先生たちはヒジャブを被ってるから、一目でイスラム教徒の女たちだと解ります。私もかつては元夫により強要されそうになったヒジャブの事を思い出して。
「女性は女性らしくあるべきで、誰かに支配されたくない」と頑固で改宗を断ったんだ。もし元夫が素晴らしい人間性を持ち合わせ、彼の家族まで婚姻生活をサポートしてたら？彼の優しいところに感銘を受けて改宗してたかもしれない。でもその必要性はないぐらい、アメリカは自由の国。

先生たちについて戻って。彼女たちはとある国から大家族で移民してきた方々で両親と祖父が戦争を体験し、祖国には大勢の人がメンタルケアを受ける必要があるのに、「コーランの教えに従え」としか取り合ってくれず、このままの状態だと説明していた。アメリカに来てから、初めてメンタルケアについて学ぶようになって、祖国では出来なかった女性の活躍もここニューヨーク市の健保で「メンタルヘルス・ファーストエイド認定の先生」として仕事が出来ているし、女性が学ぶ自由もあり、豊かな人生を送れてる、と語っていた。
メンタルヘルス・ファーストエイド認定を受ける方々たち、ほとんどが、医師を含む医療関係者たち。中にLGBT（セクシャルマイノリティ）の人権運動家が４人は居た。自分のこころのケアのためになる、と語る人まで居た。私もその一人である。ニューヨーク市の健保が指定した、研修プログラムの場所はLGBTのためのコミュニティセンターだったから、興味を持った一般人でも受けられるのだ。
入口には一階が小さなカフェとなっていて、研修プログラム用に使われた部屋は建物の中にあるバックグラウンド。
結構、ミユージアムっぽかった。

LGBTコミュニティセンターの建物の真ん中には屋外解放カフェになっている。
ウェスト13アベニューにあります。

メンタルヘルス・ファーストエイド認定を学ぶ人は医療関係者が殆どなのに対し、わたしみたいな一般人は少なかった。
「うつ病に苦しみ、治療を受けたくても受けられない人たちを対応する一般人の少なさ」に落胆してしまった。
病院ならメンタルヘルス・ファーストエイド認定を持っている方々が居る、だが、病院に行かないのが殆どだ。救急車呼めば、一万円はぶっ飛ぶから。
前回にも書いたほうに、心理カウンセラーに辿り着くまで予約がどこも一杯であること。セレブ心理カウンセラーなら半年以上は待たないといけないところがある。

メンタルヘルス・ファーストエイド認定を一般人たちまで普及させるにはどうしたら良いかと話題になったとき。

私は「アメリカには酒を飲む場所が多く、病院の数が少ない。それならば、バーテンダー達にメンタルヘルス・ファーストエイド認定を受けさせる方が手っ取り早い。酒呑むと本音がポロッと出たり、一人で飲む人たちを相手にする時、こころのケアをするところがある。そういう場所で普及させるのはどうか」と発音したんだ。
そしたら先生たちのうち一人が酒飲むと身体的、精神的にどういう影響を受けてしまうか、と何回か繰り返しながら説得を始めて。
終いにはバーにはノンアルコール類が以前より増えて、みんなと行きやすくなったんだねとか言い出して。とにかく酒はダメだとばかり繰り返すから、手話通訳士の顔が、だんだんとげげんな顔付きに変わって先生を見つめていた。ちがう、話はそこじゃない。
先生、壊れたかな？ごめん。わざとじゃないよ。
コーランの教えだと酒はご法度で、悪魔の液体と言われてるのは知ってた。元夫がそうだから。でも人目に触れないところで彼は平気でビール飲んでたよ。
バーテンダー達に普及させるほうが、てっとり早くこころのケア対応がしやすいのだろう、と思ったんだ。あくまでも個人的な意見。
先生をここまで追い詰めて壊れちゃうとは。
心の中で驚いたものの、見応えはあったんだ。私はサイコパスか。
話はここまでにしよ。