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朝ドラ「舞いあがれ!」からの〜人間万事塞翁が馬

本日の朝ドラ「舞い上がれ」を観て、胸に迫るものがありました。

ヒロインは、飛行機を作る夢を持って大学へ進学したものの、人力飛行機のパイロットになって空を飛んだ事がきっかけで、旅客機のパイロットになりたいと進路変更を申し出ます。
母親は、親としてのお決まりな反応を示す。せっかく頑張って来たのだから、せめて卒業したら?その間ゆっくり考えたら?第一あなたにそんな大変な仕事が出来る訳がないと。

実は、私も、全く同じ事をしました。
県外の大学に進学した我が長男は、大学卒業間近に私の母の葬儀で数日大学を休んだ事で卒論が間に合わなくなったのをきっかけに(ここは想像でしかないのですが)大学に行けなくなり、慌てて様子を見に行くと、大学を辞めてゲーム会社に行きたいと。
もちろん反対しました。
なにせ大学院進学も決まっており、卒業が目の前でしたから。
それに、せっかく今までお金を出したのに、またやり直し?と。
本音を言えば、「ゲームの仕事で食べて行けるの?」とも思っていました。今思うと完全な思い込みでした。

彼はその後1年間の休学ののちに退学し音楽の専門学校へ。(ここまで、長いモラトリアム期間となりましたが、ずっと親に従って人生を送ってきた彼にとって必要な時間だったのかなと思います。)
やがてデバッグ(ゲームのバグを見つける事)のアルバイトをしながらプログラムの勉強をして、あるゲーム会社の派遣で5年勤務したのち現在正社員となりプログラマーとして頑張っています。

※自慢したくて書いているのではありません。子供の、突然の進路変更に戸惑う方への応援の気持ちで書いております。

話を戻します。

ドラマでは、母親(永作さん)自身もまた、せっかく入った大学をやめ、好きな人と結婚して家を出ると親(高畑さん)に宣言すると、案の定猛反対され絶縁して結婚に踏み切ったという過去があった事がだんだん明らかになります。

仕事に疲れ失踪したヒロインの幼馴染が五島にいると知って急遽五島へ行ったヒロインは、高畑さん(ヒロインの祖母)のいる実家に身を寄せます。
そこへ、ヒロイン舞をなんとか説得しようと、永作さん夫婦がやって来ます。その、親子3人の会話を傍で見守る高畑さんの姿がとても良かった。
家を出ていった娘が、同じように迷っている。「許してあげなさい」と口で言うのは簡単です。
でも、そこで何も言わず見守る姿勢。これぞ、親のあるべき姿ではないかと思い私はとても感銘を受けました。

苦労させたくないとばかりに回り道を回避させ楽な方向へ誘導したくなる親心は、毒になりかねないということです。もちろん、親としての気持ちは痛いほどわかる。自分もその過ちを犯した1人ですから。

翌朝台所で親子が和解するシーン(母親が、あの時は悪かったと謝るシーン)はもう涙、涙でした。

✳︎✳︎✳︎

結局、過去のどの場面を切り取っても、間違いってないんだなと思いました。

私も、あの時は反対だった。
しかし、すぐに理解を示して、
はいはい、大学はどうぞやめていいですよ、ゲーム学校もOK、と、何でもOK、というのも違ったのかと。
結果、普通にゲーム学校に行っていたら多分正規に入社するのは難しかった会社に、彼はすんなり入ってしまったのです。

言い訳をすれば、ゲームの世界にまだまだ理解が及ばなかった時代ではありましたが。
反対した事で偶然にも彼が良い方向へ行けたのはラッキーでしたが、彼自身の努力の賜物であり、東京で自立生活を送れている事を私は心から尊敬の念を持って見つめており、本人にもその事を伝えました。

しかし、そういった経緯の、何が正解だったのかは今でも本当にわかりません。

やはり、人間万事塞翁が馬 なのかもしれませんね。

正解はない。
ただ、ドラマで、永作さんがもしも親の意向を汲んで自分を殺して五島にずっといたら、違う苦悩が彼女を襲っていたかもしれないし、案外、別に好きな人が現れて、幸せに暮らしていたかもしれない。

本当に、人生ってわからない。

だから、どんな経路を辿ってもいいんですね。人生の後半で、「私の人生いろいろあったけど、まぁまぁ幸せかな❤︎」と思えたら、それでいいのかなと思います。

「舞いあがれ!」公式サイト↓

過去記事↓


それではまた。
最後までお読み頂き
ありがとうございました❤︎