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長尾剛著「牧野富太郎の恋」/植物と妻を生涯愛した男。

朝ドラ「らんまん」、いよいよ佳境に入って来ましたね。(ご覧になってない方ごめんなさい)
最初、地味なドラマで面白みに欠けるかな、などと思っていましたら、中盤からどんどん面白くなり、今では大大大好きなドラマになりました。
そして書店で見つけたこの本。我慢出来なくて買ってしまいました。
という訳で、ドラマより先に牧野富太郎さんの生涯を見終わってしまいました^^;
ただ、事実を元にした小説のようです。とはいえほぼ同じかなと思います。


文久2年、土佐藩家老の町「佐川」の、5代続く老舗の造り酒屋に生まれた富太郎。幼くして父も母も祖父も亡くし、兄弟もいなかったので祖母が溺愛し全ての躾、教育を施した。
富太郎は、体は弱かったが利発で、目の前の対象物を観察し探究し分析する事に長けていたそうです。

ある時番頭から懐中時計を見せられた富太郎、一晩貸してくれと。翌日、時計はバラバラに分解されていたが富太郎の探究心を熟知していた番頭は決して叱らなかった。
そんな温かい環境で育った事が後の富太郎の生き方の軸となったのではないかと思いました。

時は明治7年。
寺子屋、儒学の塾に通ったのち西洋の学問が学びたいと転校した塾がやがてそのまま小学校となり
12歳の富太郎は1年生からやり直すはめになる。
授業はつまらなかった(既に知っている事ばかりだった)ので2年で自主退学。しかし、学校の廊下に貼られていた植物図の掛け図を見て、これこそやりたかった事だ!と、知らない植物を世に出す目標を見つけ、退屈な授業も我慢して受け、休み時間には掛け図の前に行き飽きずに眺めていた富太郎だった。(結局退学したが。)

富太郎の3つの武器
◆人柄。幼い頃から「叱られる」事がなかったため人を憎んだりする事がなく誰にでも人懐こく、誰からも愛された。そのため協力者が自然と現れた。
◆才能。
富太郎には、たぐい稀な画才があった。本人も気づいていなかったが、植物学者として大成するには圧倒的に有利であった。
◆財力。
富太郎は名目上は店の主人であるから、祖母の許可を得て財産を研究に充てる事ができた。

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ある日富太郎は祖母に宣言する。「わしは学校を辞めます」と。
祖母はその事にはさして驚かなかったが、酒屋は継がず植物学者になるという言葉に驚かされる。
この時わずか13歳。
彼を溺愛していた祖母は、まぁ、ええ。と答えた。(ここが凄い!)

◆気になった言葉
「人懐こさは、時として図々しさになる。」
なるほど…。私に人懐こさが欠けているのは、図々しさがない(反応が怖いから図々しくできない)からなのか。(メールなども、こちらからなかなか出来ない人です。SNSでは適度に図々しいかもw)
その図々しさを受け入れてくれる人がいた富太郎は実に幸運な男である、と記されていました。

さて、帝大植物学教室への出入りを許してくれた矢田部教授から、後に帝大への出入りを禁じられた富太郎。(矢田部教授の嫉妬を買ったためと思われる。)当時建築中だった神田のニコライ堂へ行き、尊敬しているロシアの植物学者マキシモヴィッチへ取り次いで欲しいと図々しいお願いをする。そして…(以下略)

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読了した結果、その後の事もだいたいわかってしまいましたが^^;
storyよりも、私は、富太郎の生き方にとても感銘を受けました。
お坊ちゃん育ちで金銭感覚が皆無なのは困りものだったけれども、今でいう「人たらし」な彼はどこへ行っても可愛がられ、鉄道がまだまだ普及していない時代にも日本中の野山に行き心から楽しんで植物採集し、お金の事など考えずたった1人でも研究に没頭した。
その結果、借金を立て替えてくれる人が2度も現れ(2度目の借金は今の価値で3億にも膨れ上がったというから驚きです)
「あなたの研究を認めてくれる人が必ずいる」と、貧乏生活も厭わず献身的に尽くしたすえの存在が彼を支えました。
そんな彼女を心から愛していた富太郎。
彼には嫉妬ゆえの敵も多かったようですが、彼を疎ましく思っていた教授達もやがて退職。晴れて帝大に就職が叶ったものの教授にはなれず
しかし講師だった事から逆に退職を免れ、77歳まで勤め上げた。
彼は本当に、地位や名誉を欲しなかったたぐい稀な、ただただ純朴に植物を愛していた男でした。
そしてその後もそれまでと変わらず研究に励み、94歳、肺炎で死去。

50万点にも及ぶ植物標本を残し、命名植物は1,500種類を超えるそうです。

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その牧野富太郎を、神木隆之介さんが見事に演じられていますね。

映画のパンフレットを買う時の感覚でこちらも購入しました↓

神木隆之介さんと浜辺美波さんのツーショットがもぅ〜
とってもとってもお似合い❤︎
さらに、志尊淳さんと佐久間由衣さんもお似合いで❤︎
胸キュンになりました。

ラスト1ヶ月も楽しみたいと思います♪

長文を、最後までお読み頂き
ありがとうございました❤︎

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