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一人が好き

高校生くらいまでは、友達の人数はけっこう重要だった気がする。たくさん友達がいる人が偉いような雰囲気があった。

小学校で「みんな仲良くしましょう」と教えられるからかもしれない。親に「友達を連れてこい」と言われたからかもしれない。ともかく、友達といえる人が存在しないということは「考えるのも嫌」なことだったように思う。

それでも小学低学年までは、そこまでグループがはっきりしてるわけではなく、お昼休みでもクラス全体で遊んでるようなことが多かった。

3年生くらいから、女の子にはグループができて、そのなかで声の大きい(目立つ)グループが男子全体のグループと仲良く遊ぶという構図ができた。

中学校でクラブが始まると、クラブが同じ友達とつるむようになった。高校では趣味絡みが増えたかなぁ。

それくらい「いつも周りには誰か友達がいた」状態が、高校を卒業するとなんとなくめんどくさく感じるようになった。自我が芽生えたのかもしれない。


今は一人が好きだ。

暇があっても、誰かと遊びに行ったり、ご飯を食べにいくのもめんどくさい。一人でいる方が気持ちがいい。

これはたぶん結婚してるからだと思う。

ただでさえ、毎日他人様と顔を付き合わせているのだ。空いた時間くらいは自分のために使いたいと思うのは自然なことのように思う。

結婚当初から「私の部屋」はない。いや、当初はあった。でも、家事をするのも、家庭内事務をするのも、趣味をするのもすべて居間。結局使わないその部屋は物置になっている。

居間で活動しなさいと誰かに言われたわけではないが、ちょっと何かしようと思うと旦那さんや子どもに「呼ばれる」。階段を降りたり昇ったりも面倒なので、なるべく居間に居るようになるという具合だ。

誰もいないときに、狭い自室にわざわざ居間から道具をもって行って、裁縫しようとか思わない。結果的に広々とした快適な居間でなんでもやってしまうことになる。実質的に専業主婦には専用の部屋などいらない。

それでも、家族がいるときに一人になりたいときもあれば、隠しておきたい宝物もあり、やっぱり(物置ではない)自分の部屋がほしいと思う。

そんなこんなで、「自分の部屋(空間)」を持たない私はせめて「自分の時間」は大切にしたいと思っている。


家事が一段落して、ぼーっとする時間。本を読むのも、趣味の手芸をするのも、アニメを観るのも、全部自分のための自分の時間。


一人が幸せだ💖なんて思うのは、たぶん家族がいるからなんだろう。家族がいなくなって、天涯孤独になったときに、同じように一人が楽しめるかどうかはわからない。でも、一人が楽しめる自分でありたいと思っている。

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