【読書感想文】アルケミスト 夢を旅した少年
おはようございます。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
今日は、先日読み終えたこの本について書きたいと思います。
アルケミスト 夢を旅した少年
パウロ・コエーリョさん著 (山川紘矢さん・山川亜希子さん訳)
あらすじ
主人公は羊飼いの少年。
彼はすでに二年間、羊たちと一緒に生活し、食べ物と水を求めて田舎を歩きまわっていた。
ある日、少年は夢を見た。この夢を見るのは2度目だ。
夢に一人の子供が現れて、羊と遊び始めた。しばらくするとその子供は少年の両腕をつかむと、彼をエジプトのピラミッドまで連れていき「あなたがここに来れば、隠された宝物を発見できるよ」と言い、正確な場所を教えようとしたときに目が覚めてしまう。それも二回とも。
夢を解釈してくれるという老女の元を訪ねた少年だが、老女は「おまえはエジプトのピラミッドへ行かねばならない。」と言うだけで、なんの解決にもならなかった。
少年は失望し、もう二度と夢は信じないようにしようと心に決める。
なぜなら彼には現実的にしなければいけないことがある。羊の世話もしなくちゃいけないし、3日後に憧れの少女と久しぶりに会うことができる。
それまでに身ぎれいにして、本も新しいものを調達しなければならない。
そう思って新しく手に入れた本を読んでいると、ひとりの老人が近づいてきて話しかけてきた。彼は本に集中したかった。しかし老人はどうやら彼と話したいようだ。
仕方なく老人と言葉を交わしていると、「お前の羊の十分の一をワシにくれたら、宝の場所を教えてやろう。」と言う。
どうせこの老人は僕から多くを取り上げようとしているんだ、そう思ったが、その後老人が砂に書いた文字には、彼の両親の名前、学校の名前、まだしらない憧れの少女の名前などが書かれていた。
少年はエジプトへ旅に出ることにした。
十分の一の羊を老人に渡し、残りの羊は友人が全て買い取ってくれた。
そして彼は新しい土地へと降り立った。
しかしそこはアラビア語が使われていて、彼はアラビア語が話せなかった。
それが災いして、彼は親切を装ったスペイン語を話す少年に騙され、持ち金全部を盗まれてしまう。
そこから彼の本当の旅はスタートした。
この本を読んで感じたこと
この本でまず忘れてはいけない言葉は「前兆に従うこと」
「直感」とか「流れ」などが前兆になると思う。
言葉では説明できないような、感覚で掴めるもの。
前兆を掴むためには、感覚を研ぎ澄まさなければいけないと思う。
無駄なものをそぎ落とし、前だけを見る。そんな感じ。
老人がこのように言っている。
少年は、その「不思議な力」についてさらに老人に尋ねます。
例えば、人はまず何かをしたいと考える。
今のわたしで言うと『フィンランドを旅してみたい。』だとする。
すると、その為には当然お金が必要になる。
旅行資金を貯めるために働く、お金を少しづつ貯め、100万円貯まったとしよう。するとは人はかつて『旅がしたい!』と思っていた気持ちを心の奥底に隠し、「この100万円を老後の為の備えに」とか「やっと仕事にも慣れてきたところだし」・・といった具合に夢を忘れてしまうという感じ。
作者が羊のことを「羊は食べ物と水さえあればいい。新しい道を歩いていることにも気づいてやしない。」といった風に書いていて、これって現代社会を揶揄しているんだろうなと思った。
満員電車に揺られながら、とりあえず、今日、明日食べていく為に思考をストップさせている人を”羊”に例えているんだろうなと。
(それが良いとか悪いとかそういう意味ではない。)
「知らない方が幸せ」ということもある。
なぜなら、他の世界がある、他に幸せ(宝物)があると知ってしまったら、人生の冒険がスタートするからだ。
冒険は楽しい。でも楽しいことだけではないのが冒険だ。
辛いことも、苦しいことも乗り越えて、それを乗り越えられた自分を、それまでの経験を全てひっくるめて冒険の醍醐味といえるのだと思う。
最後に
昨年、派遣社員の仕事を辞めて起業することにした。
派遣社員でいるほうが、生活は安定している。
この安全圏で多くの人が暮らしていることも知っている。
この安全圏で何も疑問を持たず、生きていけたら、それはそれで幸せだったかもしれない。
しかしわたしは気付いていた。
それもかなり前から。
わたしの居場所はここじゃない。
わたしはもっと違う世界が見たい。
もっと色んな経験がしたい。
わたしが知らない世界へ冒険したい。
『いざとなれば、また派遣社員へ戻ればいい。』そう思って起業をしたが、きっと「派遣社員」に戻れないことも知っている。
少年が「また羊を飼って羊飼いになればいい」と思いながら羊飼いに戻らなかったと同様に。
それはきっと、進むべき道を見つけてしまったから。
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