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Q.「茶道の体験稽古に洋服で参加する場合はどんな格好でいけばよいですか。」(生徒さん)

ジェモセラピストで茶道教授の水上麻由子が、皆さんのご質問にお答えする「教えて!まゆこ先生シリーズ」

茶道のお稽古を始めてみようと思って、初めて体験稽古に参加する時、どんな服装で行けばよいのか、不安になりますね。
樹木希林さんがお茶の先生として出演されている映画『日日是好日』(森下典子さん原作)の最初のシーンにも、黒木華さんと多部未華子さんが先生のお宅にご挨拶に行く様子が描かれています。お茶を習いたくなる映画なので、ぜひ見てみてください(まゆこ先生も、エキストラでこっそり出演していますよ!)。

ドレスコード

茶道教室の雰囲気は教室や先生の方針によっても、少し違いがあると思いますので、必ず先生に確認することをお勧めします。

その上で、男性ならスーツやジャケット、襟付きシャツなどのビジネスカジュアルな服装がよいと思います。タイトなズボンだと正座で膝やお腹がきつくなるので、ゆったりめのズボンがおすすめです。
女性は、パンツではなくスカートがよいでしょう。正座をするので膝が隠れるくらいの丈で、タイトでないゆったりしたスカートがよいと思います。お辞儀をする際に胸元が開かないようなトップス、袖口がひらひらとする大きなフリルやスカーフなどはない方がよいでしょう。

時計・指輪・アクセサリー

時計や指輪、ネックレス、ピアス、ブレスレットなどのアクセサリーは外すのがマナーです。長い爪に華美なネイルも控えます。出された茶碗にぶつけたり、畳やふすまを傷つけたりしないためです。

女性は髪はまとめておくことをおすすめします。お辞儀をしたり、お茶を頂く時に髪が落ちてこないようにします。

お茶やお香の香りを楽しむ場でもあるので、香水など匂いの強いものも避けましょう。

白い靴下

お稽古に必要な道具は、先生のご指導に従えばよいですが、最初の体験で、何はともあれまず持って行くべきものは、白い靴下です。

白い靴下はなぜ、必要なのでしょう。
着物の場合は、履いている足袋とは別に履き替える足袋を持参し、洋服の場合は足袋の代わりに白い靴下を持参します。時々、白い靴下を履いてくる方がいらっしゃいますが、これは茶室に入る前に履き替えるための白い靴下を持参することが大切です。
茶室は畳の上を歩くと同時に、茶碗や菓子が出されるテーブルにもなる場所です。外を歩いてきた靴下(足袋)ではなく、綺麗な靴下に履き替えるのが決まりになっています。身を清めて茶室に入る、一つの儀式のようなものでもあります。

懐紙と扇子

白い靴下の他に、手元にあれば懐紙と扇子を持って行くとよいでしょう。扇子は流派によってサイズが決まりが若干違うので、教室に入会して先生の指導があるまでは、特別購入しなくてもよいと思います。

懐紙は、文房具屋さんか、デパートの食器売り場で扱っていると思います。男性と女性とではサイズが違い、男性用は女性用より一回り大きいものです。
これは、お菓子を頂くときに、自分用の小皿のようにして使います。この時は一枚取り出すのではなく、束ごと使います。輪になっている方を自分の膝に向けておきます。相手に、自分が隠し持っているものが何もないということが伝わるように、束が相手側に開くように置くのです。
他にも、一枚取り出して茶碗の飲み口を拭ったりと、茶室ではポケットティッシュのような役割も果たします。

扇子は、夏に暑い時に仰ぐための扇子とは違い、開いてあおぐことは決してしません。茶道具屋さんか、デパートの呉服売り場や陶器売り場などで扱いがあると思います。
挨拶をする際に、扇子を前に置いて手をついて頭を下げます。これは、同じ高さにいる相手を敬い立てて、自分が遜るための結界を作る意味があると言われています。

ルールを守らないと怒られる?

これらの服装やアクセサリーなどのルールは、守らないと怒られるということではありません。
もし、タイトスカートで正座してスカートの丈がぐっと短くなってしまって足元が気になってしまうのは自分自身です。
もし、ピアスがポロリと茶碗に落ちて、大事な先生のお道具が欠けてしまったら、どうお詫びをしたらよいでしょうか。金額の問題ではなく、その茶碗は世界にたったひとつしかない、先生の大事なお道具なので取り返しがつかないのです。

そう考えると、茶席でのマナーというのは、誰かに叱られないためのものではなく、茶席で一緒にいる方たちと、心地よく、安心して過ごすためのマナーなのです。

私は東京の下北沢と日本橋三越前のコレド室町3で、表千家流の茶道教室を主宰しています。もし興味があれば、どうぞ体験にいらしてくださいね。





私たちは、純粋意識(魂・ミッション・ダルマ)を生きると決めて、生まれる場所や時代を選んで生まれてきています。地球上の人々が、内なる魂と繋がり、健やかに成長しながら人生の航海を楽しめるよう願いながら、書いています。 応援や共感していただけたら、嬉しいです。