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性的同意とメディアの性情報② セックスの最大の情報源とは?(男子)

私が、東京都内の複数の大学で実施したアンケート調査によれば(出典:『性情報リテラシー』)、「性的メディア」をセックス情報の拠り所としている男子学生が約6割と、圧倒的に多い。

対して「家庭」「学校の性教育」を情報源として挙げた者はゼロだった。小学校高学年から高校にかけて行なわれる性教育は、正しい性知識を教える場とされている。だが、その内容は2次性徴や妊娠の仕組みなど、身体的・生理的な側面が中心だ。

そもそも10代でのセックスを抑制する立場から行なわれてきたので、セックスの誘い方・誘われ方、異性の気持ち、手順や体位など、「実用的」な情報はスッポリと抜け落ちている。

親も、性について正面から話そうとはしない。子どもにしても、精通や発毛などの2次性徴をめぐる体の変化すら親には言いにくいのに、ましてやセックスについてなど聞けたものではないだろう。両親の夜の営みを想像したくもない。肉親は、「性」から最も遠い所にいて欲しい存在なのである。よって子どもは、性知識をメディアで埋め合わせざるを得ないのだ。

「友人」「ネットの情報交換掲示板」というクチコミ系をセックスの情報源とする者はそれぞれ21%と、「性的メディア」の次に多かった。女性経験が豊富な友人を取り囲み、その講釈をありがたく拝聴する構図が、ネット上にも広がっている。

もっとも、友人たちやネットへ書き込む人々の大半も、結局はメディアからの情報をもとにセックスを行なっている可能性が高い。このため「クチコミ系」情報と「性的メディア」情報は、重なる部分が多いと思われる。性的メディアは、まさに若者たちの「セックス手引書」と化しているのである。その責任は重い。

▶▶メディアの性情報を鵜呑みにしない力を育てる!「性情報リテラシー」教育とは?


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渡辺真由子 公式note【ネット時代の性教育と人権~メディアの性情報が与える影響と対策~】
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