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性的同意とメディアの性情報④「好きな服を着ているだけ」(女子)

「露出に、深い意味はないなー」とバッサリ斬るのはエリ(仮名、21歳)。

「好きな服を着ているだけじゃん、みたいな。ボディタッチにしても、育ちの問題だと思いますね。海外で育った友達は、男女分け隔てなく体に触りますよ。男の子も『そんなに触んないでよ、勘違いするからやめろ』と言ってますけど」

女性向けのファッション誌にも、「肩を出して色気をアピール」「遊園地デートでは彼の手をひいてドキッとさせちゃおう」といった「サインの発し方」は書かれているが、全ての女性がそれらに倣っているわけではないようだ。

キョウコ(仮名、21歳)も、「露出イコールその気があるとはつながらないと思う」と否定する。だが、男性に誤解を与えないよう、着るものには気をつけているという。

「私は肩を出す服装が好きなんですけど、飲み会とかで夜遅い時間に帰り道を歩かなければならなそうなときは、1枚はおるものを持っていきます。男友達と2人でドライブに行くときは、ミニスカートを履きたければ膝掛けを用意しますね。露出で誘っていると思われたら困るし。胸元が開いた服も好きですけど、中に1枚着て、下着が見えたり透けたりしないようにも気を遣います」

女性にとって、どのような服を着るかは「好み」による部分も大きい。脚線美が自慢ならミニスカートを履きたくもなるが、必ずしも挑発しているわけではない。露出した肌を「見せびらかす」ことと、実際に「触らせる」ことには雲泥の差があるためだ。

だがこのような女性の心理は、男性や男性向けメディアにはわかりにくいと見える。痴漢の被害に遭った女性が、「露出する服を着ていたのが悪い」と逆に責められる例もある。だからこそキョウコのように、露出を自粛する女性も出てくるのだ。

一方、直接体に触れるボディタッチに関しては、帰国子女はともかく日本育ちの女子は、Hの誘い水として利用することもあるようだ。アユミ(仮名、21歳)は、Hをしたいときは相手の腕や太ももを優しく撫でる。

「よくドラマで女優が小悪魔みたいにHを誘うのを見て、やり方を覚えました。言葉は使いません、アホな女みたいだから。『東京ラブストーリー』みたいに、『セックスしよう』とはっきり言うのはイヤですね」

性的な意味を含むボディタッチの場合、触り方はねっとりとしたものや繊細なものになる。男性は、注意深く見極めることが必要だろう。

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【アンケート】女性のOKサインとして参考にするメディア情報1(男子・女子)
 際立つのは、「露出が多い服」に対する両性の考え方の違いだ。男子の21%が「HのOKサイン」と思っているのに比べ、女子で露出服にそのような意味を持たせる者はわずか4%に過ぎない。デザインが可愛い、という理由でキャミソールを着ているだけなのに、いちいち誤解されては大変だろう。
 一方、「相手の体によく触る」行為に関してはOKサインと捉えている女子が30%と、男子の倍以上に達する。女子からの積極的なボディタッチには、男子も少しは期待していいようだ。触り方にもよるが。
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渡辺真由子 公式note【ネット時代の性教育と人権~メディアの性情報が与える影響と対策~】
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