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JK(女子高校生)と登山

にぎやかなスタート

クラーク高校の百名山プロジェクト、8月4-5日は女子高生3名と金峰山〜瑞牆山の縦走でした。初日は廻り目平キャンプ場から登山を介して金峰山小屋宿泊、2日目は金峰山小屋から瑞牆山経由でみずがき山荘へ下山という行程でした。

自己紹介を済ませていざ登山開始。長い林道を歩きます。女子高生の話題は、道端に咲く草花よりも芸能人や動物、おしゃれの話題で持ちきり。虫は嫌い、ヘアスタイルは大事・・・登山とは真逆のような感じでしたが、それも私にとっては新鮮でした。そんな女子高生がむしろ登山に自ら参加したいと思ってくれたことが嬉しかったです。

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大雨と雷

林道が終わり、登山道を歩き始めると次第に天気が悪化。大雨と雷。天気予報や雲の状況からもずっと続くわけではないことは想像できたものの、生徒達にとっては厳しい状況でした。しかし、その悪天候によって生徒達にもいろんな変化が。「きついーしんどいー」と開始早々ごにょごにょ言っていたBちゃんは本気モードに突入、黙々と真剣に歩いていたAちゃんは「雷が鳴ったら部屋から出られなかったけど今日は頑張ります」と。雨水が流れる登山道を淡々と歩く姿はとても立派でした。

次第に明るさとともに雨がやみ、金峰山小屋も見えるようになりました。行動食もしっかりと持って来ていた生徒達。なのに私が食べようとしていたメロンパンを「いる?」って差し出すと「いいんですか〜❤️」って。この時の目の輝きと、潰れたメロンパンだったのに、とっても美味しそうに3人で分けて食べている姿、私はきっと忘れない。

山頂と山小屋での滞在

遠かった山小屋が目の前に現れてやっと到着しました。夕食まで時間があったし、翌日の行程短縮のために今日中に山頂に行くことへの提案に、疲れているにも関わらず「行きます!」との返事。頼もしい。山頂での写真撮影はとても恥ずかしがり屋さんのJ K。インスタ用に写真が撮りたいと言うものの、本人達に集合写真を依頼すると「やだー」と。さすがJK。

無事に小屋に戻ったのちに夕食。完食の子、小食の子、色々だったけれど美味しく楽しくいただき、早い子は20時に就寝、小屋の外の満点の星空を見たい子と一緒に外に出ました。流れ星や衛星、天の川を見ながら、小学校の時に見た星空の話、高校生活の話、趣味の話、将来の話など本当にいろんなことを話してくれました。なぜそんな話題が自然と出て来たのか、わかりません。

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判断に迫られた瑞牆山

今回の登山の核心は、瑞牆山の往復だと開始前から考えていました。下山しながらサイドに見える瑞牆山の往復に対してモチベーションが続くか、そして時間的に可能か。気持ち的にはとても元気なJKでしたが、下山の速度が上がらない。結果的に富士見平小屋で、瑞牆山往復を断念することにしました。そのことを生徒全員に伝えました。

淡々と歩き続けるAちゃんは2座への登頂意欲が初めから誰よりも強いのを感じていました。決断に対してはきっとすごくショックだったのでしょう、一言も声を発しませんでした。一番賑やかでここぞというときに本領を発揮するBちゃんは、「皆さんの決断に従います」と。しっかりもので周囲の状況を感じて意見を言えるCちゃんは、「なぜですか」「行けるところまで、行ける人だけで行くのはダメですか」「方法はないんですか」と。

安全性の確保と無事の帰宅の重要性、そしてリベンジを伝え、下山することにしました。賑やかな下山でした。後ろから来た登山者にも賑やかな様子が伝わったようでした。

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JKから学んだ登山の奥深さ

韮崎駅で解散しました。解散の際に一人ひとりに感想を聞きました。

Aちゃん「家族と離れての登山は不安だったけど、今回のメンバーを家族のように感じる。初めは沢の水なんて飲めないと思っていたけど、今では大丈夫!」
Bちゃん「予想していたよりも10倍以上も楽しかった」
Cちゃん「本当は中止になってほしいと思っていた。でも高校に入って一番と言えるくらい楽しかった。瑞牆山もぜったいリベンジしたい」

登山は同じ頂を目指すものがほとんどですが、その過程が何よりも大事で、学校の授業ではきっと教えてくれないようなことが自然に身につくのだろうと感じました。大雨、雷、長時間の下り、不整地での歩き、瑞牆山への登頂断念、必然的に色々な経験を通してJKは2日間でとっても成長したな〜と感じました。「だから今回の登山は失敗じゃない、みんなとってもとってもよく頑張った!それをお家に帰って報告してね」と解散しました。

瑞牆山でも他の山でももちろんOK。またみんなと一緒に山に登りたいと思いました。そんな体験をさせてもらって私も幸せでした。

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