見出し画像

日記/3月のあれこれ

3月*日

エッセイ本を携え、電車に乗る。自分のなかで読書がはかどる場所ランキング一位は圧倒的に電車なので、電車にゆったり乗れそうなときには忘れない限り文庫本一冊は必ず持っていくようにしている。―ということで、今日は迷ったすえにエッセイ本二冊を持参。しかーし、電車に乗り込んで席に座ったとたん、(いや、ちょっと待てよ。今日は小説の気分だったな…)ということにはたと気づく。気分がどよんと落ちる。ふてくされて二駅分ふて寝する。そのあと気持ちを切り替え、エッセイ本一冊を取り出し、とりあえず読み始める。一編、一編、と読み進めていくうち、すっかりエッセイに夢中になって、今日はエッセイだな、という気分に整う。ふて寝が功を奏したらしい(?)。


3月*日

たとえば小説を書くとき、主人公の置かれているシチュエーションを主に喜劇的に描くか、悲劇的に描くか、感傷的に描くか、淡々と描くか、等々、どう捉えて、どんな空気感で、どんな角度から描くかを選ぶことができるように思う。それと同じで、現実、自分がいま置かれているシチュエーションや起きた出来事について、自分がどう捉えて、どう描くのかも本当はきっと、自分次第でいくらでも自由に選べるのだろうなあと思う。どれが正解もないけれど、ときどき、そんなことをちょっと思う。


3月*日

『月とケーキ』に引き続き、『月とケーキ2』をTverでみている。たった2分半ほどのストーリーなんだけれど、みていてなんだかいいなあと思う。市川実日子さん演じる妻と井浦新さん演じる夫のやりとりというのか、物語の空気感というのか、映像の雰囲気というのか、そんなものすべてが穏やかで平和。毎度、ふふっと笑みがこぼれる。どうやら会員制リゾートホテルの宣伝用のものでもあるようだけれど、それはさておき、この短さのほっこりできるストーリーって、一息つきたいときにちょうどいいなあと思う。


3月*日

今年は書きかけになっている長編小説の執筆にじっくり取り組もうと思っている。それで改めていま、書きかけの原稿やプロット用ノートなんかを開いて、いろいろ下準備をしている。ほかにもアイディアメモがバラバラになっているので、それらも整理。なにかを始める際にはまず、整えることが大事だなあと思う。もちろん勢いや情熱だって大事だけれど、まずは呼吸整えて整理整頓。今年は「大切なものをまんなかに据える」というのが自分なりのテーマであるので(それは自分の場合、小説でもあるので)、それを中心にしっかり据えて、自分なりのペースで創作に取り組めたらいいなあと思う。


3月*日

長野県のご当地パンとして有名な牛乳パン。まえから気になってはいたけれど、そういえばまだ一度も食べたことがなかったなあ、とふと思い、銀座にあるアンテナショップに足を運ぶ。なかに入ると、レジのすぐそばに牛乳パンコーナーを発見。種類あるなか、目当ての牛乳パンひとつを手に取る。ついでに店内をうろうろしてお菓子を物色。いろんなものがあって、みているだけでたのしい。知らないおやつや飲み物もたくさんあって、なんだか際限なくいろいろ試したくなる(干し杏やなつめも気になるところ)。でも、そこは欲求のブレーキをかけて、予定していた牛乳パンひとつと、予定外に気になったお菓子をすこし購入し、お店をあとに。銀座の街を歩きながら、ああ、ひさしぶりに軽井沢に行きたいなあと思う。軽井沢のみずみずしい新緑のなかを散歩したり、おいしいものを食べたり、新鮮な空気を吸いながらサイクリングしたい。アンテナショップって、そういう旅への意欲をかりたてる作用もあるのよね、と思う。

初めて食べた牛乳パン。
思っていたほど甘くなくて、素朴でおいしかったです。

お読みいただきありがとうございます。