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日記/日々のいろいろ

1月*日

近所を歩いていると、フェンスにとまっている真っ黒な鳩をみかけた。寒さに耐えているのか、ふっくら丸々している。なんだか困っているような様子にもみえたので、どうしたのかい?と近づいても身動きせずに目をぱちくりさせるばかり。とくに怪我もしてないようだし、ただ風の冷たさに耐えているだけなのかもしれない。それにしてもこのあたりではみかけない色合いの鳩だなあと思う。もしや鳩の子どもなのかな?と思ったけれども子どもでもないような…。あとで調べたところ真っ黒な色をしたドバトもいるようなので、そうした種類の子だったのかもしれない。なんだか訳ありの様子にみえたので、しばらくちょっと気になってしまう(その後は一度もみかけず)。


1月*日

カフェにて、近くに座っていたご年配の女性ふたりの会話が耳に入る。散弾銃が、散弾銃が、と聞こえてくる。え?散弾銃って、またどこかの国か日本で物騒なニュースでもあったのかな、と一瞬思うが、それにしては女性たちの声は弾んでいる。よくよく聞いていると(というか聞こえてきた)、どうやら三段重のことを話しているようで、要はお正月のおせちの話題で盛り上がっているらしい。なんだあ、よかったあ、と思うと同時に、世の中の不穏なニュースの流れに呑まれてつい、不穏な文字変換を即座にしてしまう自分の思考回路の方がよほど物騒だなと思ってしまう。


1月*日

散歩をしていると、小学校低学年くらいの女の子たちが透明のビニール袋を投げ合って遊んでいる姿が目に入った。すごおく楽しそうに、ただのビニール袋(スーパーで手に入るあれ)を投げ合っている。鼻息ちょっと荒く、興奮ぎみで、体全体から熱が湯気のように発散されているのが通り過ぎさま伝わってくる。ああ、なんだかすごいなあと思う。ビニール袋が、ビニール袋以上の価値をもって、空中をいったりきたり。子どもってなんでも遊びやたのしさに変換できちゃう天才だなあと改めて思う。


2月*日

バレンタインデーが近くなり、各デパートではチョコ祭りが行われているもよう。バレンタインという行事そのものに興味はないのだけれど(失礼)、チョコレートには興味があるのでいろいろ情報をみていたところ、気になる商品をいくつか発見。ここ数か月食べ控えをしていたチョコだけれど、うーん、みているうちにやっぱり食べたくなってしまう。ならばそろそろ自分に甘く、ちょこっとチョコ断ち解禁してもいいかな~ということで、後日、デパートに赴き、チョコレートをついに買ってしまう(ふたつも!)。ひとつは植物性のチョコで、ひとつはチョコバウム。バレンタインデーを待たずにきっと食べちゃうんだろうなあと思う(なにせ自分用なので)。


2月*日

吉祥寺美術館で開催中の出久根育さんの展覧会『チェコからの風 静寂のあと、光のあさ』をみにいく。すこし不思議な雰囲気のする作品や、可愛らしい動物たちの描かれた美しい色合いの絵画がたくさん展示されてある。よくよくみると、あれ?この絵にも、この絵にも、不思議と同じ猫ちゃんが描かれている。その猫ちゃんは、どうやら作者の出久根さんの愛猫のよう。可愛らしくてつい、口元がほころんでしまう。他にもよくよく目を凝らしてみると小さなうさぎがいたり、ハリネズミらしき生き物がいたりと、じっくり鑑賞するほどにたのしくなる。そして『こうさぎ』シリーズの展示も可愛らしくて、うさぎさん、ひとりひとりの個性がしっかりと伝わってくる。本当にどの作品も細部の細部まで丁寧に描かれていて、みていると胸がわくわくしてくる。気づけば童心にかえって絵の世界に入り込んで鑑賞。とても良い時間を過ごせたなあと思う。(会期は3月3日までだそう)

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