絵本vs動画 スマホで動画を見せることは悪なのか?
皆さん、本日も仕事に育児、お疲れさまです。
前回の記事でも書いたとおり、私は子どもに絵本を読むことが好きです。自分も子どもの時に、たくさん絵本を読んでもらって嬉しかった思い出があるので、娘にも同じ楽しさを感じて欲しいと考えているからです。
しかし、今の時代は昔と違い、スマホやタブレットを使って様々な動画コンテンツを見ることができます。(しかも無料で)
絵本は自分で買ったものしか読ませることができませんが、インターネット上ではほぼ無限に動画コンテンツを楽しむことが出来ます。しかも、絵本と違って親が読む必要がないため、流しっぱなしにしておけば親はその間に家事をしたり、休憩をしたりすることが出来ます。いわゆる「楽」ができるのです。
なんとなく、世間一般ではこういうスマホやタブレットに子守りをさせることを「悪」としている風潮があるように思えます。しかし、「それって本当に悪いことなのだろうか?」と思い、今回私は「絵本」と「動画コンテンツ」の違いについて考えてみました。(以下、スマホやタブレットで見せる動画コンテンツを「動画」と省略します)
違いその① 情報量
これは動画コンテンツに軍配が上がるでしょう。今の時代、動画サイトには日々新しい動画がアップロードされています。私が知る限り、子ども向けの動画も数多く存在するので、子どもに最新かつ多くの情報をインプットすることができます。
対して絵本は、基本的に「自分の購入した絵本のみ」しか子どもに見せることができません。(図書館などで借りるという手もありますが)
さらに、動画は1本の動画に映像とナレーションによる潤沢な情報が含まれていますが、絵本は1冊あたりの絵と文字の情報量は動画に比べると少ないと言わざるを得ません。(あくまで子供向けの動画と絵本を比較した場合。)
しかし、これが逆にメリットにもなるのでは?と思います。動画はすでに完成されているものなので、その間に人間の想像力が入る隙間がありません。絵本はページとページの間に空白が存在するため、人間の想像力が試されます。人によってその空白の中身は違ってきますし、同じ人間でも読むタイミングによっては変わってくるでしょう。これが「想像力を鍛える」ということに繋がるのではないか、と私は考えます。
違いその② 双方向性
これは完全に絵本の方にのみ存在するメリットです。基本的に動画は「配信者からユーザーへの一方向性」のコンテンツです。
絵本を読む時、私は子どもの様子を伺いながら、質問したり、ストーリーに合わせて娘の体をくすぐったりして、子どもとのコミュニケーションを楽しみます。これによって親子の絆は間違いなく深まっていると言えるでしょう。
せっかく子どもに絵本を読んであげるなら、絵本の大きなメリットである「双方向性」を活かす読み方を心がけたいなと思います。
違いその③ 手軽さ
これも動画が有利でしょう。絵本は「お店、またはネットで絵本を購入してから絵本を自分自身で読み聞かせる」という過程が必要になります。対して動画は「スマホを使って動画サイトをクリックする」だけ。圧倒的にお手軽です。金額面も大きく差が出ます。(子ども向けの絵本は1冊1000円とか平気でするので、かなり大きい。。。)
違いその④ 中毒性
これは子どもによって個人差があると思いますが、ウチの娘は圧倒的に動画の方がハマっているように見えます。基本的に我が家の教育方針で動画を見せるのは「歯磨きをしている間だけ」と決めています。ですので、娘もそれを分かって歯磨き以外の時には動画をせがむことはないのですが、歯磨きが終わってスマホを取り上げると、ものすごく嫌がります。「まだ見たい!」と言ってスマホを離してくれないのです。絵本ではここまでの中毒性を感じることはありません。
動画にここまでの中毒性があるのはなぜでしょうか?単純に動画のほうが分かりやすく楽に面白さを体験できるということではないかな、と思います。動画は何も考えずともその世界を楽しむことが出来ますが、絵本は能動的にその世界を楽しもうとしなければ、面白いと感じないのでしょう。
子どものコンディション(疲れている時や不機嫌な時)に関わらず、動画を見せることで簡単に子どもを夢中にさせることができるコンテンツは親にとって非常に心強い味方です。一方で、絵本の能動的に楽しむというコンテンツは教育上、子どもに好影響を与えてくれるでしょう。とある文献でも、絵本の読み聞かせは能動的なもので感情・感性の教育に良いとされています。
読み聞かせといえば,子どもたちにとって受動的であるように思えますが,これほど能動的なも のはありません。子どもは,主体的に自分の思いをもって,想像豊かに絵本の世界に遊んでいるのです。これが, 感情・感性の早期教育であり,このような心の体験を通して得た知識こそがほんものです。
【引用文献】絵本の読み聞かせがその後の人生に及ぼす影響(浜 崎 隆 司、黒 田 みゆき)より
まとめ
絵本と動画。どちらにもメリットは存在するので、0か100でどちらが良いとか決めつける必要はありません。場合のよってどちらも使い分けることが大事なことだと私は思います。
しかし、なんとなく自分が子どもだった頃の時代の感覚だけを持って「スマホに育児をさせるのは悪だ!」と決めつけてしまうのは、なんだか非効率すぎる気がします。
例えば今の時代って洗濯機を使っている家庭がほとんどだと思いますが、昔は洗濯板で洗うのが当然だった時代もあったでしょう。また、洗濯板で洗ったほうが洗濯物も傷まず、なおかつ綺麗に洗えますよね。現代人の私たちはそれを知っていても「よし、ウチでは全て洗濯板で洗おう!」という家庭はほぼ無いはずです。理由は一つ、めちゃくちゃ大変だから。
動画と絵本の話も同じで、例え絵本の方に大きなメリットがあったとしても、動画の方がめちゃくちゃ楽なのであれば、そっちを使うという選択肢もあって良いでしょう。これからの時代、小さいうちからデジタル製品に慣れておくということも必要な体験だと思います。
いわゆる「最近の若いもんは。。。」と言っている昔の人に自分がなってしまっていないか、と危機感も覚えています。今の時代だから使える便利なものは使いつつ、昔ながらの良いものも利用することが、今の時代の育児に大切なことではないでしょうか。
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