一つの瞳で見る世界は

画像1 今日もお手入れお手入れ。白くてキレイでしょ?エヘッ
画像2 あ、気付いた?あたし、右眼がないの。病気でなくしたの。多頭飼い崩壊の家から助けられて、直ぐに病気になってしまって……目が腫れてオバケみたいになったのよ、もう痛くて辛くて、ご飯もお水も飲めなくてじっとしていたわ。虹の橋を渡るのかなって思いながら
画像3 市の職員さんが私を見て言ったわ。その子もう駄目でしょ?そんなんじゃもう誰も貰い手付かないから、連れて帰って処分しておこうか?って。あたしを助けてくれた人はその人に言い返してくれた。絶対に助けます、絶対に幸せにしますからって
画像4 そいつぁひでえ話だな。あぁ、俺は近所の桜猫って輩さ。気にしねぇで先を聞かせてくれ
画像5 え?まぁいいわ。で、その人はあたしに言った。元気になって幸せになろうねって。あたし信じたの、その言葉を。ある日右目がポトンと落ちて、バイ菌も全部出て。あたしは元気になったの。そしてお父さんとお母さんに譲渡会で出会ったのよ
画像6 他に可愛いお友達が沢山いたわ。あたしは今とても元気だけど、この顔を見たら皆あたしを避けるんじゃないかなって思っていたの。お父さんもお母さんもどうしてあたしを、片目しかないあたしを選んだんだろう
画像7 ま、こう言っちゃ何だけど、あなたは私ほどではないけど、私の次くらいに可愛いんじゃない?あなたは愛嬌があるから。私の可愛さには勝てなくても、そのフレンドリーさは私も一目置いているわ
画像8 ねえ、あたしみんなから愛されてる?お父さん、お母さん、お姉ちゃん、お兄ちゃん……この家の家族から愛されてるの?
画像9 そじゃない?ふぅ〜やっぱりこのカゴ最高。もうどっぷり、出たくないよ、僕
画像10 何なのよそれ。またそのだらしない顔!あなたちゃんと話聴いていたの?何とか言ってあげなさいよ
画像11 キリッ!兄ちゃんはいつも味方だよ。心配するな。だけどお母さんの傍に行き過ぎるのは良くないぞ。そこは兄ちゃんの場所だからな。キリッ!決まった!やっぱり僕ってクールだ、テヘッ
画像12 お兄ちゃん、カッコいい!大好き💞 でもあたしはお母さんの傍が好き、お兄ちゃんの傍も皆好き
画像13 お嬢ちゃん、あんたよく見えてるじゃねぇか、ちゃんとよ。一件落着ってか?ニャハハハ
画像14 ハンデがあると思っているのはむしろ周りなのよね。ジャンプも遊ぶのも何も問題ないもの。私はあの子を可哀相だなんて思ってないわ。私の次に可愛い妹だって、ただそう思っているだけよ。でも忘れないで。私が一番可愛くて綺麗でチャーミングな猫だってこと!
画像15 この眼で見える世界が私の世界。他の猫のことは分からないけど。あの辛い時、諦めなくてよかった、あの人を信じてよかった。あたし、このお家へ来れて本当に良かった。美味しいご飯、心地よいクッション、楽しいおもちゃ、優しい家族、そうね、一言で言うと、この一つの瞳では幸せしか見えないわ。そんなあたしはホントにラッキーでハッピー、よね!

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