頑固で不器用で亭主関白。それでいてお茶目だった、そんな父のこと。
2023年1月2日、両手の拳を天に向かって力強く突き上げ、家族を抱きしめながら旅立った父。苦しかったはずなのに、、、その瞬間の表情はどこか穏やかで力強く、「大丈夫」「ありがとう」そう言ってくれたような気がした。
ステージⅣの肺がんが見つかってから4年3ヶ月。そして、生まれ育った島の自宅で、家族と過ごした最期の1ヶ月のことを残しておきたいと思います。
父の最期の日まで一緒に過ごした1ヶ月間のことは、1年経った今でも思い出すと涙が止まらない。「島に帰りたい」その父の気持ちに答えたくて、介護も看護も未経験の母と2人で正解がわからないまま、自宅で、家族で看取ると決めて鹿大から退院。きっと父にもたくさん無理をさせてしまったと思う。
たくさんの方々に支えられ、助けられ、試行錯誤しながらの毎日。日々変わる父の状態に不安に押しつぶされそうだった。とにかく1日でも長く一緒にいたい。少しでも穏やかに過ごしてほしい。痛みを和らげてあげたい。帰ってきてよかったと、思えるようにしたい。そう思いながら毎日必死で、たくさん泣いて、たくさん笑ったなぁ。まだ思い出になんかできないぐらい濃厚で張り詰めた1ヶ月間だった。
亡くなってすぐは、一緒に過ごせてよかった。そう思う気持ちの方が大きかったのに、日が経つにつれて寂しさや後悔、色んな感情が押し寄せてきてなかなか向き合うことができないままに1年が過ぎてしまって。ふとした時に、父がもういないんだということを感じることがあるけど、その現実をなかなか受け入れることができなかった。というか受け入れたくなかったのかな。
あれから1年が経ち、ようやく父とのことを書き残したいと思えるようになったので、、、これからゆっくりと振り返っていきたいと思います。