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この恋は世界でいちばん美しい雨 を読んで

また本を読みました。


あらすじ


彼女の笑顔を想うと、時々、涙がこぼれそうになる。

この幸せが、この恋が、ずっとずっと続いてほしい。そう思っていたのに――。



駆け出しの建築家・誠と、カフェで働く日菜。雨がきっかけで恋に落ちた二人は、鎌倉の海辺の街で愛にあふれた同棲生活を送っている。家族のいない日菜に「夢の家」を建ててあげたい、そのために建築家として名を上げたいと願う誠だったが、ある雨の日、日菜と一緒にバイク事故で瀕死の重傷を負ってしまう。

目を覚ました彼らの前に、“案内人”と名乗る喪服姿の男女が現れる。

そして誠と日菜は、二人合わせて二十年の余命を授かり、生き返ることに。

しかしそれは、互いの命を奪い合うという、あまりにも苛酷で切ない日々のはじまりだった――。

Amazonのリンクより


雑多な感想

よくあるお互いの絆を試すだけとか、騙し合いのゲームみたいな、ギスギスして人間不信になるような酷い話じゃなかったのがよかったです。
主人公の2人は、事故に遭って命を落としたのですが、「ライフシェアリング」という「奇跡」によって生きかえりました。
命を分け合うというか、奪い合うというか、過酷な試練を与えられ、気持ちが休まらない生活を余儀なくされ、途中で歯車が狂い、2人がバラバラになりそうな場面もありましたが、結末は概ねしあわせな着地点に落ち着いたと思います。

ただ、徐々に慣れたのですが、日菜のキャラクター性が最初すごく読んでてきつく思いました。なんか、たとえプラスの感情であっても、感情が表に出る人が苦手なんですよね‥‥
読み終わる頃には、彼女の性格にも慣れて、またこの無邪気な姿が、この物語の過酷さを際立たせているとも思いました。

結末はとにかく涙が止まりませんでした。
ここのところ考えている、死んだら何も残らないのだと、
私は自分の思い出すら持ってあの世にいけない
子どもを持たない選択をしたから、子孫も残らない。私の人生は、この世に何一つ残すことはないのだという気持ちに、近い内容だったので。
この物語には、そういう意味では救いがありましたが‥‥


自分なら‥‥


さて、この物語を読んだ人はきっと誰もが自分なら、自分達ならどうなるだろう、と考えたと思います。
私たちは、きっとうまくいかないだろうなぁ‥‥と思いました。
こればかりは愛情の深さとか信頼関係とか、そういうものではない気がする。
私は特に精神的にかなり弱い人間なので‥‥


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