小説講座のすすめ ー 小説は誰かに教えてもらえば上手くなるというものではないけれど

1月22日開催「根本昌夫のオンライン小説講座」、無事終了いたしました。早いもので当講座も10回を数えました。毎回たくさんのお申し込みをいただきすべてにお応えできないときも多く申し訳ない思いでありますが、タイミングによっては空きがでる回もありますので、今後も引き続き開催告知を気にしていただければと思います。

これまで講座に提出された作品名があちこちの新人賞で予選通過していたり、別タイトルの作品で受講生のお名前を見かけたりというのが本当に多く素晴らしいことだと思っていますが、根本氏の講座は決して「受賞するためのノウハウ」や「テクニック」を指導するものではありません。提出された個々の作品を精読して、どうすればより作者が書きたかったことに近づけられるか、どうすればより作品としてよくすることができるか、編集者としてというよりも一文学者としての視点で意見を述べ、それにより作者を含めた参加者があらためて考える場として講座があるような気がします。

小説を書く目的・動機は人それぞれです。もちろん賞を獲って作家になりたいという人も多いのでしょうけれど、自分の人生に何かを残したい、思いを言葉でまとめてみたい、書いた物をとにかく誰かに読んで欲しい、というのもあるでしょう。実際、この前の回でも、「初めて小説を書いてみたけれどうまくまとめられなくて自分ではわからないから見て欲しい」とおっしゃる方もいらっしゃいましたし、「これまでずっと書きたいという思いがあったけれど書き出すことができずにいたのだが講座に参加することになってようやく何か形にするところまでできた」とおっしゃる方もいました。それぞれの「書きたい」という思いを、何らかの形で次のステップに進めることができたのなら、講座に参加された意味があると思います。

書きたいという思いをずっと抱いている方、何作か書いてはいるけれど他の人に読んでもらう機会がないという方は、ぜひ一度は、当講座に限らず、どこかの小説講座を受講してみることをお勧めします。そこでは作品を提出して講評を受けることが一番大切です。そうすると、作品は「読まれること」が必要なのだと(実体験として)わかるはずです。
さらに、オンライン講座を開催している者がこのようなことを言うのは変なので、以下小声で言いますが、できれば対面でたくさんの生徒がいる教室に何期か参加するのが理想だと、個人的経験から感じています。先生だけでなく、教室で互いの作品を読み合った生徒のなかには、その後もずっと続く大切な仲間がみつかることもあります。これが実はオンラインでは一番得がたいことではないかと思っています。
しかしそういう教室があるのは大都市がほとんどですし、健康上や家族の事情など、現地に足を運ぶのが難しい方も多いと理解しております。そういう方々には、オンライン講座が役に立てるのではないでしょうか。

第11回オンライン小説講座は2023年3月開催の予定です。

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