【#青ブラ文芸部】苦しみを味あわせるなら

#あなたへの５つの質問
Q.5あなたの大切な人が殺害されました。
犯人には死刑を望みますか？
それとも終身刑を望みますか？

↓本編
「死刑か終身刑か、選んでください」
　裁判長にそう告げられた私は犯人の顔を見た。
　憎たらしい中年男。脂ぎった顔で、だらしなく肥えた男。
　コイツが小学校の教師だと思うと、本当に吐き気がする。
　もちろん、世の中にはそういう容姿の教師はいる。
　だが、こいつはあろうことか、愛娘を自宅に呼んで性的暴行したあげく、殺したのだ。
　娘の変わり果てた姿を見た時、心の底から憎んだ。
　いっそ私の手で殺してやりたい――そう思っていた時に、このジャッジが舞い込んできた。
　死刑か終身刑か――どちらがアイツを苦しめられるだろうか。
　終身刑は……ちょっと違うな。
　アイツの寿命がいつ尽きるのか分からないし、娘を殺した奴が長生きするなんて耐えられない。
　死刑はいつどのタイミングで死の宣告を受けるかわからないんだっけ。
　その恐怖を味わいながら余生を過ごす……うん、悪くないかもしれない。
「死刑で」
　私がそう言うと、裁判長は大きく頷き、宣告した。

　ざまぁみろ、元私の夫。

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