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君のための文章の束

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私の好きな言葉だけでできてる、君に読んでほしい物語
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記事一覧

ただ名前を呼んでくれさえしたら。

ばっちりメイクよりこのままが可愛いと君が言ったすっぴんの私が、鏡の前で不機嫌な顔をしてい…

十月 咲
5か月前
16

悪酔いで見た夢の中で、私は君にしがみつく

「つかまって」 私は君の首にしがみついた。もっと深く繋がっていく。酔った頭でぼーっと考え…

十月 咲
8か月前
5

抜け出せないこの季節を恋って呼んでいいですか。

私には分かってる。それがいつ始まったか。事態が動き出したその一瞬を覚えてる。もう、ある意…

十月 咲
10か月前
11

もうドライブが終わる合図

あ、助手席左になってる。久しぶりに会って最初に気づいたことが君のクルマについてで私は自分…

十月 咲
1年前
9

早く冬が終わればいい。君を忘れられればいい。

このユーザーは解約しました。 それは一昨年の七月に残された機械的なメッセージだった。メッ…

十月 咲
2年前
15

私の750万種の感情を、君に全部あげる。

きっと毎日、感情を一個失くしては別の一個を手に入れている。喜怒哀楽の4つから派生した感情…

十月 咲
2年前
7

君と過ごす最後の冬、明日するかもしれないキスに備える

嫌なことが連続する。意地悪な人、しつこい人、距離感間違えてる人。終わらない仕事、荒れ続ける肌、乾燥した空気と工事中の排ガス。君とまたすれちがって噛み合わなくて、その他の些細な嫌なことが生活の中でより色濃く際立っていく。そうして浮き彫りになるのは自分でもよく分からない私の気持ちと私たちの関係性。私、普通の会社員なんだよね。君と違って、平日の昼間とか無理なんだよね。ていうか、昼間からやる気出ないんだよね。色気も何もないし、だって、私たちするためだけに会うんでしょ。空いてる時間で済

名前を呼ぶこともできない、時間は解決してくれない

ここのスタバ、前も来た。路面店だけど目の前の道路に駐車できるからクルマで来るとTOするのに…

十月 咲
4年前
15

会えないなんて嘘だけど

新宿駅からの帰り道、甲州街道沿いに面したマルイ、つまりマルイの裏側を23時頃通り過ぎると、…

十月 咲
4年前
10

私からのサイン、一瞬だから見逃さないで

また一つ恋を始めてしまった。私は何かを始めるのが上手で、終わらせるのが下手だってことを自…

十月 咲
4年前
19

私はもう、君の隣を歩くのが似合わない。

だんだん会ってくれなくなってきてるような気がして、だんだん脳のキャパを君が占め始める。一…

十月 咲
2年前
44

これはきっと君には届かない私からのプレゼント

一日遅れで君に誕生日おめでとうとメッセージを送った。あたかも、うっかり忘れてたていで。本…

十月 咲
2年前
11

ドレッサーの鏡に映るのは

駅のホームでいつまでも来ない電車を待っていた、5分以内の間隔でいつでも電車は来ると思って…

十月 咲
4年前
9

ドラマチックな春は突然打ち切りになった連載のように不自然に終わった

今日テレビで君と同じ名前の人が出てた。久しぶりに聞くその名前に胸の奥がじりじりと焼け付くような感じがした。もう忘れたと思ってたのに名前を聞くだけであのときの感情とかずっと言えなかった想いとか二人の温度がふきこぼれてくる。君の顔もぼやけてきたっていうのに温度や息遣いは鮮明に覚えてる。 あれは少し酔っ払って君の部屋に転がるようにもつれるようにたどり着いた春の始まりの日だった。突然降ってきた雨、お店の人が「ずっと前の、誰かの忘れ物なので」とビニール傘をくれた。小さいビニール傘に身