シェア
真夜中の猫 佐藤宏note.
2024年5月5日 02:05
シェリーの詩を試みに訳しつつバイロンについて調べているが、調べるほどにロシアの「余計者」なる概念はロシア近代史に固有の現象というよりは、むしろ「バイロン的英雄」からの派生ではあるまいか、という疑念が禁じ得ない。バイロンもある意味で世間に順応できない「余計者」だったかもしれないが。私見では、ロシアの余計者文学が20世紀の不条理文学に連なるのであり、歴史的流れを無視していえば、サルトルの『嘔吐』が