SNS上の自分のキャラを考える
SNSの仮想空間で、何を発信したらいいのだろう?
よく言われているのは、「理想の自分」もしくは「見られたい自分」というキャラづけをして発信すること。
そこで、キャラを作って発信する方法を学ぼうと、コルクラボ の課題図書に上がっていた『中の人などいない@NHK広報のツイートはなぜユルい?』を手に取る。自分が同じ立場だったら、何を考えるのか照らしながら読むことにした。
PR1号さんは、Twitter初期の頃からSNSの本質を捉えていたようだ。その時点で、成功する要素はすでにあって、差別化できていたんだと思う。
最初のはじまり。「何がしたいのか? 」
私も同じ問いの設定をする。ここまでは一緒。
1号さんは、次のことをしたいと考えた。
「NHKのイメージを変えたい」
「宣伝というよりも、おしゃべりする仲間になりたい。友だちのような関係」
「キャラ設定をする」
「会話が盛り上がるように話題に乗ったり、提供したりしよう」
私は、1号さんと同じ2008年に任されても、2つ目以降のやりたいことを思いつけない。
たぶん、もっと「Twitterという新しい媒体を、使える人になる」「Twitterを使えば、何をつぶやいても新しく見えるし、NHKブランドで勝手にフォロワーも増える」と、思考が停止したプランというか、無意味な「企画書を書いて、上司に提出」して「承認されたら始めよう」と、アカウントも取らずにいたんじゃないかと思う。
だから、1号さんが人気になった成功要因は、「アカウントを勝手に取って非公式で始めちゃった」こと、なんじゃないかと思う。NHKなのに!笑笑 イメージは、ガチガチの縦割り組織なのだが、もしイメージ通りなら、本当に本書より引用しますが「図太い人」なんだと思う。
1号さんが、さらにすごいのは、Twitterを知り尽くしていた(というか、存在すら知らなかった)からではなく、Twitterで「仲間と話をしたいし、面白いことを話題にしたい」、ということに目を向け続けていることだ。
11年前の話なのに、古く感じないこの手法。人の欲求は、今も変わらないし、技術は新しくなっても、結局どこまでいっても「ツールはツール」なんだな、と改めて思った。
でも、「ツールが変わる」ことで、これまでの価値や意味は変化する。それは、『突破するデザイン』にも書いてあるのだけど、新たに作るのではなく、「意味をイノベーションすること」。これは、おさえるポイントだ。
1号さんは、本質的な人なので、
「媒体ではない」
「発信以上に受信するツール」
として、Twitterを使ってフォロワーの人たちと関係を築いている。
つまり、ここでも意味自体をアップデートしないでそのまま、リアルからTwitterに移行していたら「一方的に」、「自分のまま」議論をふっかけるか、おしゃべりするか、になっていたはず。
アカウント設定時に、PR1号さんは、あれこれ研究した結果、「NHK+生協の白石さん+のだめ+バカリズム+自分」というキャラづけを決めている。真面目で誠実だけど、ウィットに富んだユニークで天然な人、というステキな人。
ただ、これを決めたとして実際にその通りにつぶやけるのかは別の問題だ。例えば、不誠実な人間が誠実で真面目に対応できるのか?というのもあるし、ウィットに富んだユニークって、教養がないと再現できない。
1号さんは、キャラ設定のときにゲームシナリオ開発をしている知人に相談している。そのお友達も言ってるのが「打つのはお前だから結局、自分のキャラを加えるのも忘れてはいけない」だった。
要するに、キャラづけは大切だけど、自分のスタンスをまず決めることが、ブレない方法なのだ。
それが表れているのが、東日本大地震の章で、ユルツイートをすると決めたところだ。
3.11の地震発生から原発事故のニュースをTwitterでNHK報道部と連携して、正確な情報を提供する。震災から数日経過して、リプライやタイムラインを見て、日常を取り戻そうと震災前のユルツイートを始めた。
これこそ、キャラづけをしてつぶやいてきたことの強みが表れているエピソードだ。
そして、裏側で起きていた当時の状況を記していた章は、PR1号さん自身がどう生きて、何を大切にしているのか、よく表れていた。
キャラづけをする、ということはうわべだけの設定を決めることでは、愛されないんだろう。どの角度から見ても、この人だ、とイメージしてもらえる。
設定する人が、腑に落ちていて、自分の一部が切り出されたものでなければ、続けられないんだろうな、と思った。
芸能人とか、まさにそうだと思う。自己プロデュースできる人が、人気が出るのは無理がなく強度があるから。
さて。ここまでで、自分はどうキャラづけをするか? これが問題だ。
そうなると、自分にあるキャラは何があるのか。そのヒントは、誰と接してる時の自分が好きか、でもいいかもしれない。もしくは、誰と接してる時の自分が一番何に憧れているのか。
これについては、やっぱり自分のことを知るにループしちゃったけど、また次回。
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