潮崎豪VS藤里一郎写真展「GO!」

藤里写心大学3期卒業生の みです。
4期生に今回の写真展の1200文字レポート課題が出ていると言うことで私も乗っかってみます。

プロレスリング・ノア所属で推しの潮崎豪選手と尊敬する藤里一郎先生の夢の試合ということで、在廊のお手伝いと搬入搬出作業をさせて頂きました。こんな私得なことはない!と毎日ウキウキしながら受付をしていました。
ナインギャラリーに所狭しと並ぶ潮崎さんの作品に囲まれ、そして隣には写真家の藤里先生がいる空間にいられる幸せはこの上ないものでした。

ギャラリー中央に立つとまるで試合会場にいるような臨場感と高揚感に包まれ、ずっとここにいたい、6日間じゃ短すぎると思いました。

プロレス写真は沢山見てきたし、自分自身も撮るので見慣れている…そんな事を思ったらいけない作品の数々。
そこには藤里先生の潮崎さんが好きと言う感情が沢山詰まった写真が並んでいました。

道場の写真からはストイックな潮崎さんを、試合前のバックヤードの写真からは緊張感を、試合の写真からは息遣いやお客さんの拍手まで聞こえて来そうな臨場感を、試合後の写真からは潮崎さんの悔しさが伝わって来ました。
試合中の顔しか知らない私たちファンにとっては潮崎さんのまだ見た事のない顔が写しこまれていて、ああ、これは報道写真やスポーツ写真じゃない、プロレスポートレートだと思いました。これは藤里先生でなければ出来ない新しいジャンルなのではないかと思います。

プロレス写真を撮るにおいて、どうしても邪魔なものになってしまうロープ。それを先生は逆手にとって効果的に使っていてこれは真似したい!とさっそくやってみましたが見事に撃沈しました。マイナスなものをどうプラスに持っていくのか、自分の脳内を騙す事の大切さを改めて実感しました。


昨年、スタジオに夕方の海を作りたくて先生に相談し、ライティングを組んで貰って「ここは海」と脳内を騙し撮影したものがちゃんと砂浜と波打ち際になっていた事を思い出しました。自分の脳が騙せなければ見る側にも伝わらない。写心大学で習った事の中で1番心に残っている事です。今回私はプラスに捉え切れなかった訳ですね。反省です。

受付から右を向くとちょうど目に入る柱に貼られた1枚。先に入場した潮崎さんが対戦相手の勝彦さんを待っている写真なのですが、ずっと心に残っていてこれから戦う相手に向けるような顔ではなく、何だか寂しげなような慈しむような穏やかな表情だと思ったんです。どんな想いで勝彦さんを待っていたのだろうと思うと胸の奥をギュッと掴まれたような気持ちになりました。
それに気付いてからその写真から目を離せなくなり、私の中で潮崎さんの印象が少し変わったような気がしています。


この「GO!」を観てますます潮崎さんを好きになりました。記録としてではなく、記憶に残る写真展だったと思っています。


最後になりますが、試合の合間をぬって在廊して下さった潮崎さん、観に来て頂いた方々、そして先生、本当にありがとうございました。
写真展に初めて来る方も多かったようですが、みんなそれぞれなにかを感じ取って頂けたようでこの写真展に携われて良かったと心底思います。
先生の「またやろう」という言葉、忘れませんよ。

次は女性ポートレートを撮っている方にももっと来て欲しいなと思います。

まとまらない文章をここまで読んで下さりありがとうございました。

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