『MIU404』へのラブレター(DVD-BOXプレゼントアンケートより 原文ママ)


◎お気に入りエピソードに第5話を選択した理由

私は、以前スリランカを長期訪問した際、東南アジア諸国から日本への留学生が置かれている窮状を知り、以降、自分の知人友人を巻き込んだ身近な問題として捉えるようになりました。

しかし日本に帰ってみると、一般の方々の留学生問題に対する認識は無きに等しく、コンビニに足を運ぶにも、牛丼を食べるにも、心苦しいものを感じ続けながら生きる日々でした。

そんな日々に風穴を開けたのが、『MIU404』第5話でした。私は『MIU404』を放送当初から視聴していたわけではなく、Twitter上でシェアされてきた第5話に関する記事を目にしたことで、そのコンセプトに感銘を受け、視聴を決めました。第5話を観了した時の衝撃と感動は、筆舌に尽くし難いものでした。しかし、最も大きな感情は、「感謝」です。

テレビドラマという多くの人の感情や価値観に訴えかける形で、外国人留学生という存在に光を当ててくださったことに、本当に本当に感謝しています。

水森の魂の叫びが、一人でも多くの人の心に届いたことを願ってやみません。


◎お気に入りの登場人物について

どの人物も魅力に溢れており甲乙つけがたいものがありますが、九重世人の劇中での変化には目を見張りました。
1話当初はエリートにありがちな現場と乖離した思考に陥る場面も見受けられ、それ以降も「持てる者」故の社会的弱者への配慮を欠いた発言が節々に見受けられた九重は、自分にとって神経を逆撫でする不快なキャラクターとして映ることもありました。
しかし、「スイッチ」のエピソード(最終話でここに触れてくださった時には、あまりの感動に視界が霞みました)や事件に関わる人々との交流など、4機捜で多くの経験を積んだ九重は、事故を相対化して社会への視線を確立していきます。その九重が成川に掛けた「全部聞く」という一言。自らの先入観を廃し曇りない眼で物事を見定める姿勢が表れたこの一言が、『MIU404』の中でも随一の名台詞だと、私はそう感じています。


◎番組への感想

『MIU404』を一言で表すならば、「真摯」という言葉こそが相応しいと私は思っています。
前述の第5話に限らず、『MIU404』は、現代日本社会を少しの逃げも作為もない真摯な視線で見つめ、物語のチカラによって「世界をよりよくする=Make the world a better place」という姿勢を貫いてくれた作品だったと感じています。だからこそ、これだけ多くの私を含む視聴者の心に響き、力を与えてくれる、そんな作品になったのだと感じます。

制作に携わった全ての皆様へ。本当にありがとうございました。私は『MIU404』を宝物として生きていきます。

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