深い夜に夢が眠る

ぽつりぽつりと思いつくだけの言葉を並べていく。

物思いに耽っていたとしても、なんの生産性もない。

思考が何周にも回って、ゴールのない迷路を闊歩してゆく。

いつかにもらった言葉

貴方の使う日本語は美しいね。

思い返したくなくても、思いが夢に寄り添ってしまう。

どこかであの人を求めているのだろうか。

またあの声で、優しい口調で、私を褒めて欲しいと。

私の存在意義は確かにそこにあったのだから。

貴方からこれからも貰えるはずだった言葉はもう聞けない。

私の夢は覚めない眠りについてしまった。
いや、私自身が眠らせたことを認めたくなかったのだと思う。

思い出すのは、空が塗りつぶされ他の色が見えないくらいの暗い夜。

私はもらった言葉を薄汚れたブリキの箱に、今もしまっている。

いつかこの夢は覚めてくれるだろうか。


真夜


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