No name

何をするにも気力が起きなくて、やる事を並べて数えてる。

心の風通しを悪くしている窓を開ける気力も起きない。

ただ、閉まっている窓から見える景色を眺めているだけ。

気が晴れないのに外は太陽が昇っていて、その矛盾に苛立つ。

こっちを見て欲しいのに、見てもらえる所が無い。

正体不明の揺らぎを掴めないまま放置してるだけ。

結局送らずに消した返信は、ゴールできなかったマリオのよう。

疼く欲求に蓋をして、フィクションにばかりに拍手を贈る。

健気という言葉には似合わないほどの諦めた勇気たち。

過去に囚われたくないのに囚われて身動きが取れなくなっていく。

「あんな失敗はもう繰り返さない。」

そうやって、芽吹いた小さな芽を勇気と名付けた逃避の手が引き抜く。

いつまでもスポットライトを浴びていたくて

ステージを降りた人から笑顔になっていくのを羨望の眼差しで送り出す。

いつか は掴むもので待つものじゃない。

頭の指令を無視するのはいつも私の擦り切れたプライドたち。

「愛される自信がないの、だって愛されたことがないから」

反吐が出る気持ちの悪い独り言

私の内側なんて見ていたくない。見てられない。

人格なんてリモコンで操作できちゃうし、会話なんて読み取りゲームだ。

好意は持つと心が波を立ててしまう、五月蠅い。

嫌われたく無いけど好意は持ってほしい

叶わないからいつも選ぶ「何もしない」

誘わない、返信しない、期待しない

少しずつ諦めた欲たちは勇気を蝕んで殺してゆく。

何もしないことが正しいと、気持ち悪くならないと、

歪んだ正解が私を採点をする。

私の欲が名前を無くしてゆく

いつか消えてしまうのだろうか


真夜





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