教科書
勉強は嫌いだった。
知識を習得することは好きだったけれど、勉強が嫌いだった。
始業式が終わると始まる教科書配布
嫌いな勉強の材料であり、忘れると怒られる原因のモノであるはずなのに
新品を渡される時はウキウキしてページをめくっていく。
名前を書くときはいつもより綺麗な字で書きたいとさえ思ってしまう
3日後には通学カバンが重いことに文句を垂らしているくせに
有効期限は1年間。それが終わると遅かれ早かれ処分されていく。
処分し忘れた教科書を見つけて開いて見てみると
あの頃の私に戻れるような気がして、なんて
タイムスリップできるわけもなく
教科書を閉じてパソコンへ向かう私は
きっとあの頃より少し大人になれているかな
真夜
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