2歳の娘、誕生日当日のこと。
7月9日は娘の誕生日である。前の投稿でさんざん結婚記念日の7月7日のことをないがしろにしたが、9日については日が変わる瞬間からドキドキしていた。娘は夜泣きもなくぐっすり寝ていて、夫は急な残業で日が変わっても帰ってこなかったので、一人で。
朝はだいたい6時半から7時に起きる娘が、6時前にふにゃふにゃ言いながら覚醒してしまった。最近なぜか朝は「とーたん」と言って夫に体当たりしていくので、私は普段の育児負荷を言い訳に夫に押し付けて惰眠を貪っている。この日も、恐らく深夜2時近くにようやく眠れたであろう父を叩き起こしていた。さすがにあまりに夫が不憫だったので、この私がリビングに出て娘の相手をすることにした。
娘は最近「何歳ですか?」と聞くと「いっさーい!」と得意げに指を立てるようになった。あまりにかわいくて何回もやってしまう。でも今日からは違う。今日から君は2歳なのだ。と、朝から説明するものの(正確には少し前からもうすぐ2歳になると伝えていた)、時間の流れも理解しているかよく分からないので、とにかく2歳なのだということを重点的に伝えていくようにした。結局あんまり実感はないみたいだ(当たり前か)。しかし「誕生日」という単語は理解しているようで、「たんたんたんたんたんじょうびー、○○ちゃんのたんじょうびー」と歌っていた。
悩んだ末の誕生日プレゼントは、レゴデュプロにした。あの誰もが知るであろうレゴの低年齢向けシリーズがデュプロであり、通常のレゴの倍の大きさなのだ。私はレゴといえば無骨な直方体などの形をひたすら組み合わせるものだと思っていたが、デュプロシリーズは車輪や旗、滑り台などの装飾系のものが多く、夫いわく、ごっこ遊びをし始めている娘にちょうど良いのではないかという話だった。なるほど説得力がある、と購入したはいいが、私は実は少し気になっていたことがあって、とにかく娘は飽きっぽいのだ。子どもはそんなものだと思って気にしてはいないが、パズルや粘土やシール、お絵かきなどの遊びは好きではあるが、一瞬で飽きる。一瞬で飽きるくせにやりたくなったら準備するまでごね続けるので、遊んでいる時間よりごねている時間の方が長いのでは?と思うときすらある。そんな娘に、レゴ。果たして…。
はやく渡したかったが、夫を休ませていたので、少し娘と二人で遊んだ。最近の娘はとにかくよく喋り、とにかくかわいい。「きのう、のなつ(ドーナツ)、かったねー」と先週の土曜日のことをずっと話している。ここ数ヶ月で二語文をほぼ飛ばす勢いで三語文を巧みに操っている。もともとこちらの言うことは理解しているような素振りだったので、会話が成り立って楽しい。しかし早起きだったこともあってか機嫌はあまり良くないようで、少しでも思い通りにいかないと顔をくしゃくしゃにして泣いていた。2歳。もうイヤイヤ期に入ったと言って良いだろう。要求は理不尽なことが多いので「そうだねー」と言いながら受け流す(無視)ようにしている。
夫が起きたので、プレゼントを渡すことにする。キャラではないがHAPPY BIRTHDAYと描かれた風船を100均で買っていたので、それを膨らませると、風船ブームが来ている娘はキャッキャと喜んでいた。いよいよ本命のレゴのお出ましである。娘はいつもどおり真剣な顔をして緑の箱を見つめていた。「レゴ」と言っていたような気もする。保育園児二年目の娘は、家の中にないものもたくさん知っている。
私は説明書を見ながらすべりだいをつくり、夫は見様見真似でブランコをつくった。娘は男の子の人形を持って「ぼく、すわろうねー」とブランコに座らせようとしたり、家のドアのようなレゴを「ピンポーン」と言いながらドアを開けて中の人形を見て「あったー」と言っていたり、とにかく順応していた。娘の世界が広がっていくさまが手に取るように分かった。
驚いたのは、小さなレゴをひたすら組み合わせて長くしたものをつくった娘が、それを持って私たちに「バーン!」と撃つような真似をしてきたことだ。そんな遊びはいままでしたことがなく、明らかに保育園からの輸入であろう。しかも「バーン!」のあとのリアクションを求められているのである。私が「うっ」と胸を押さえると娘は嬉しそうに今度は夫に、次はぬいぐるみに、「バーン!」をしていた。2歳ってすごい。つい先日も「ねようねー」と言ってソファに頭を傾けた直後に「ねてなーーーい!」とニヤニヤしていて驚いたのだが、どうやらボケという概念ができているらしい。2歳、侮れない。
昼寝のあとは夫が仕事に行っていたので「とーたん、いないねー」と言いながら二人でまたレゴをした。途中でこどもちゃれんじを挟んだりするが、基本的にレゴを大層気に入ったようで、プレゼント冥利に尽きるなと思った。小さなレゴをひたすら重ねていくのが好きなんだなぁと見ていたら、「けーき、つくったねー」と見せてきた。そうか、ケーキを作っていたのか。娘が自分の意思で何かあるものを作ろうとして手を動かしていたということに感動した。
0歳の頃は、毎日を生きて、生かすのに精一杯だった。私は低月齢育児が本当につらかったので、実はあまり覚えてもいない。かわいいと思っていたはずだけど、1歳になるまでの1年はとにかく大変だったなぁという印象が強い。0歳の娘は周りと比べて身体能力の成長が遅かったので(今は信じられないが)それも精神的に重荷になっていたはずだ。くらべて1歳の一年間はあっという間で、とにかくかわいさに圧倒された一年だった。動けるようになり、喋れるようになり、娘の性格がなんとなく分かるようになって、育児はかなり楽になった。あんなに不安だった毎日が、二年も経つと遠い昔の出来事で、たった二年のことなのに、一生覚えておきたいことが多すぎて、もともと記憶力の乏しい私はそのほとんどを覚えていない。今日一日の娘の面白かった一言さえも。
こういう、育児の記録をどこかに残しておきたいんだなと思った。この二年間はInstagramで成長記録みたいなものを残してきたけど、もう娘も2歳だし、顔つきも随分しっかりしてきた(Instagramでも投稿で顔を出すことはしていないが)。自分の日記に書けばよい話でもあるが、なんというか、こう、向いてないのだ。何回もチャレンジしたので、もう痛いほど分かっているのだ。
ということで、今後もこういう文章を書いていこうと思っている。
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