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梅雨の合間に晴れたある日曜日のこと

2020年7月19日(日)
前日のショッキングなニュースのことを考えて眠るのが遅くなり、娘と夫が起きてもだらだらとしていた7:30。朝から120%の力ではしゃぐ娘の声が耳障りに聞こえるときは、私の体調があまり良くないサインなので、「ごめん30分」と呟いて私は寝室にこもった。

8:15、これ以上だらけても仕方ないと諦めてカーテンをあけると、ここ数日のそれとは違って明るかったので、「あぁ、今日は晴れたんだな」と思った。「晴れた」=「公園にでもいくか」にナチュラルに思考するのだから、子どもが産まれる前や、結婚もしていない頃の私が今の私を見るとどう思うだろう。「ごめんね、寝すぎたー」と夫に軽く謝っても8:30である。数年前は10:00でも早起きだったはずなのだが。

先週娘の誕生日ケーキを買ったときにもらった商店街の福引券の引き換え日が今日だった。せっかく8枚ももらったので出かけようかとは前から決めていて、ついでに会場近くの大きな100円ショップで買物でもしようかと話していたら、「あ、引き換え13:00から17:00だって」と気づいた。午前中に買い物と福引をしようとしていた計画を変えて、少し遠くの公園に行くことにする。

10:00には少し遠くの公園に着いた。先客は2組。どちらも子1人父1人である。この町の公園で一番見かける組み合わせだ。我が家はほぼ必ず3人で出かけるので、良いとか悪いとかでなく、ただ違和感がある。他のご家庭はお母さんを休ませてるのかなぁなんて思っていたけど、我が家はそもそも完全なるツーオペ育児であるため、ここで母1人公園をスルーしようとすると、今度は父も休ませるべきだという思考が働いてしまうので、もういっそ3人で公園に行き、3人で昼寝する方が効率が良い、と私は思っている。そもそも他のご家庭ももう1人子どもがいて、母子水入らずの時間をつくっているのかもしれない。こんなことを思うのもくだらないと思うけど、思わざるを得ないほど、私の住環境では家族3人で公園にいるという家庭をあまり見ないのだ。このあたりはもう事情を知りたくてしかたない。

11:00頃になると公園も混んできた。もともと娘より大きな子向けの遊具が揃う公園なので、我が家は退散することにして、近所の公園に向かう。出かける場所が古本屋か銭湯だと伝えて仲の良い美容師さんに笑われてきた私たち夫婦も、2歳の子がいるとナチュラルに公園をはしごする。

近所の公園は大きなすべりだいと小さな遊具が少しあるだけで、あとは広い広場(これ日本語的にどうなんだろう)があるので、なにかと使い勝手が良い。もはや公園ソムリエである。娘はすべりだいに他の子が近づくと、自分がすべりだいから離れていても「じゅんばーんこーー!!」と大声で威嚇する。あははかわいいわねと言われるうちが華である。

コンビニで買ったパン(4個入り)を、少し遠くの公園で2つ、近所の公園で2つ食べた娘の昼ごはんをどうしようかと考える。時間はもう11:00で、普段の娘の昼ごはんはだいたい11:30なので、朝おやつのパンを昼ごはんへと昇格させることを決める。念のため「ごはん食べる?」と聞くと「食べない!パン」とはっきり言う。娘は栄養たっぷりの保育園の朝おやつと昼食とおやつを毎食完食してくるので、それ以外の食事の質は気にしないことにしている。

それにしても暑い一日だった……と振り返りたいが、12:00である。これだけ遊んで(主に遊んだのは夫だが)も、まだ昼である。3人とも汗だくなので、私と娘はシャワーをあびて、そのままお風呂で水遊びをする。まだ遊ぶ。まだ半日しか経ってないのに、遊ぶ……。最近水ブームの娘が洗面台で遊ぶのを見ているのは退屈だが、開き直って湯船の中で見ているとそこまで負担ではないということに気づく。

シャワーを浴びればお腹も減るかと思ったが、やはり「いらない!ヨーグルト」と言われたので、ヨーグルトをあげつつ、眠たさで機嫌が悪くなってきた娘に「そろそろ寝ませんか?」と夫が誘う。娘は唐突に「とーたん、シャワー!」と夫をシャワーに押し込み、自分は扉の前で絵本を読んで待つと言い張る。娘は変なところで几帳面なのである。

娘と夫が寝室にいった隙に、昼食を済ませる。頃合いを見て夫だけ寝室から回収し、昼食を食べさせてから、互いの自由時間である。私は諸事情で3時間遅らせているあつ森でカブを買い、iTunesでとあるアーティストの2年前のアルバムを買って、目をとじた。3曲分ぐらいぐっすり寝て、やんわりと起きるととても疲れが抜けていた。最近は娘の横で3時間一緒に爆睡するみたいな昼寝のとり方をしてきたけど、多分昼寝ってこれぐらいの方が良いんですよね。知ってた。

12:30ぐらいに寝た娘は15:00過ぎても起きてこなかったので、ベビーモニターを見てみると、ちょうど寝返りをうって起きようとしていた。しかし完全に目をあけても特に親を呼ぶことなくぼーっとどこかを見つめている。これぐらいの子どもでもまどろみって気持ちいいのかと思うと不思議な気持ちになる。こういうふとしたときに、もう娘は完全に人間なのだと改めて気づく。

保育園で週1回英語の授業を受けていて、こどもちゃれんじEnglishのDVDを見るのが好きで、Youtubeでもやたらと英語の映像を見たがる娘は、最近会話の中に英語を交えてくるときがある。なので、寝室の扉をあけた私は「ぐっもーにん」と声をかけてみた。娘はキャハハと言って笑った。

さて今日やりたかった福引と買い物に向かう。娘は「かぃもの、いくー」と楽しそうにしている。久しぶりの買い物なので、念入りに買い物リストを確認する。なんだか今日はたくさん買いそうな予感がする。

福引は4枚で1回だということがわかり、我が家が挑戦できるのは2回だった。せっかくなのでと娘に回してもらったが、商店街のエコバッグと飴とうちわをもらった。お兄さんに「ありがとう」しようねと言ったけどしなかった。普段は道ですれ違うおじいさんおばあさんにも愛想をふりまく娘だが、若い男性は苦手なんだろう。

楽しかった1歳の何が大変だったって、店での買い物がまったくできなくなったことである。歩くのもおぼつかない、手の動きも思うようにいかない、そんな状態で出会う商品棚は、好奇心のスイッチが入ったばかりの子どもにとってはキラキラした宝箱のようで、「おらなんだかワクワクすっぞ!」のギアが振り切れているような状態で、もう何から対処すれば良いのかわからないほどとにかく大変だった。結果、買い物に行く回数は減り、我が家は食料品すら生協頼みとなった。

そんな1歳に比べると、今の娘はだいぶ勝手が違う。まず話したことを理解してくれるし、言いたいことを伝えてくれる。しかし油断は禁物で、まずイヤイヤ期であるということは記録しておきたい。理不尽に怒り、理不尽に立ち往生し、理不尽に寝転がるということが、突然訪れる。それでもひどい子やひどい頃に比べると今日の娘はとてもお利口だっただろう。まぁその分親の財布が痛んでいるんだけど。

約1時間の買い物が終了して、近所の公園に向かう。新婚旅行すら行かずに好きなアイドルの公演を観に行った大阪遠征を周囲には新婚旅行ということにした私たち夫婦も、子どもがうまれると1日3回公園に行く。100円ショップで買った200円のボールで遊びたいというので行ったのだが、「おうちに帰ってさかなつり遊びしようねー」と言うと、ふと人が変わったように「おうちかえる!さかなやる!」と言って、あっという間に「こうえん、バイバーイ!」となんらかの杭とタッチしていた。

娘が買ったさかなつりのおもちゃは、私も夫も懐かしいおもちゃだ。育児をしていると、懐かしいものに触れて少し胸の奥がツンとする。娘と一緒にそれらを辿っていく過程が私は割と好きで、さかなつりを一緒にするのもそうだけど、最近だと「にじのむこうに」を娘と一緒に歌うのが特に好きだ。「にじのむこうに」は、おかあさんといっしょの歌だということを意識したこともなく、おかあさんといっしょを見るようになった去年に聞いて、「うわぁ、なつかしい」と胸の中が熱くなった。私が当たり前のようにメロディも歌詞も覚えている歌を、娘が保育園で習って覚えて帰ってくる。こういう体験を、これから何回も何回もできるんだと思うと、単純にとても楽しみなのである。

さて、7:00に起きて5時間、15:00に起きて4時間。みっちり遊んだ娘と夫が寝室に入ってそろそろ2時間経つ。そろそろお父さんを起こしに行こうかな。

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