娘が寝る前に「おはなししよ?」と言うのがかわいすぎてしぬ
子どもの睡眠管理に並々ならぬ情熱を注いできた私である。産後1ヶ月経過していわゆる床上げが終わったとき、私は恐ろしくて泣いていた。
娘はとにかく日中に延々と泣き続ける子で、夜は比較的まとめて寝てくれるとはいえ2~3時間おきにきっちり起きるし、授乳中に寝てしまうからお腹が空いてすぐに起きるし、日がのぼれば30分と寝ることもなく起きたら泣いているような子だった、気がする。というのも、生後2ヶ月くらいからはそこまで酷いことはなくなり、泣く理由もなんとなく分かるようになってきた。それは私が慣れたとか娘が慣れたとかそういうふわっとしたことではなくて、明確に理由がある。私が「ジーナ式」と出会い、「ネントレ」という概念を日々の生活に取り入れたからだ。「ネントレ」ーーいわゆる子どものねんね(睡眠)をトレーニングするあれこれについては、いつかまとめようと思っているので今回は割愛する。また前置きが長くなってしまった。
とにかく生後1ヶ月からジーナ式でしっかり育てられた娘は、生活リズムが非常に整っている。夜ご飯を食べてお風呂に入ったら寝るというのが本人も分かっている。2歳2ヶ月の現在は、17時過ぎに帰宅してから18時半に夕飯、19時~19時半ぐらいでお風呂に入り、20時には寝室に向かうルーティンとなっている……と書くと「わぁ~羨ましい!」という声も聞こえてきそうだし、実際にとても楽をしていると思うが、最近はイヤイヤ期も始まっている娘なので、そんなにスムーズにいってばかりではない。お風呂いやいや、お風呂から出るのいやいや、寝室行くのいやいや、あそぶ、ほんよんで、あそぶ、ねない、ねむい、ねたくないけどねむいーーー!!という感じである。
娘の寝かしつけのときのルーティンは成長によって変化してきた。もともと抱っこで寝かしつけてこなかったので、トントンや添い寝が主な方法だったが、少し成長してからは歌や絵本になった。我が家は基本的に夫と日々交代で寝かしつけているが、お互いに得意(好きともいう)な寝かしつけ方法が違う。昔は同じ方法で寝かせることにこだわってもいたが、娘も大きくなり、父と母の違いが明確にわかるようになってからは、むしろ娘の方こそ「お父さんはこのねんね、お母さんはこのねんね」と分かっている感がある。
私は歌は割と好きなのだが、絵本での寝かしつけはそんなに好きでなかったりする。というのも、寝転がって絵本を持ち上げていると腕がしんどいとか読み終わったあとの「もう一回!」がめんどくさいとか本通りに読ませてくれないことにストレスがたまるとか、愛情あふれる母親とは思えないような身勝手な理由なのだけど。
でも、寝る前に絵本を選んでいる娘の姿を見ているのは好きだ。彼女が自分で何らかの理由(もしかしたらないのかもしれないけど)で数ある絵本の中から数冊選び、寝室に持っていくという行為そのものに成長を感じて胸がきゅっとなる。まぁ、単純にブームなので、5~6冊持ち出したり、図鑑が入っていたりするとげっそりするんだけど……。
そんな娘がここ数日、私と寝る前に絵本を選ばなくなった。代わりに「おはなししよ?」と言って手を引くようになったのである。これは……もうっ……かわいい以外のなにものでもないっ……圧倒的かわいさ!!!!かわいさの大勝利!!!!!うちの娘がいちばんかわいい!!!!!!!!!!!
やや取り乱してしまったけれども、私が感激したのはただ娘がかわいいからというだけではなくて、「おはなししよう」というのは私が娘にずっと伝えてきたことだからなのである。
私は娘と話すのが好きだ。保育園の帰り道、手をつなぎながら「今日は何して遊んだの?」と聞くと、「うーんとねー、レゴ!」と答えてくれる。たぶん合っていないことも多くある。それでも、私の言葉に反応して、娘が自分の言葉を話してくれるのが、たまらなく面白い。だから、私はよく保育園の話を聞いていた。私が単純に知らないことだからということもあるけれど、「そんな言葉知っているの!?」という話をふっと聞くことができるのは保育園の話をしてくれているときなのである。
そんな時間が好きで、私はなるべく手を抜きたい寝かしつけのときも「今日何したの?」としつこく聞いていた。絵本を読んでほしい娘は「ほん!ほん!」と催促してくるので、しぶしぶ読み始める……ということが常だった。そんな娘が「おはなししよ?」と絵本を選ばずに寝室に連れて行ったのである。
母になって2年と2ヶ月。こつこつ続けてきたことが娘の中に伝わっていたんだなといちばん実感したのが、今回のことかもしれない。むしろ娘から「おはなししよ?」と話しかけられることをあまり想定せずに自然と振る舞っていた分、よりハッとした感覚は強い。娘は本当にまわりをよく見ていて、部屋を出るときにはルンバを押すよう教えてくれるし、自転車に乗るときにヘルメットを忘れると教えてくれる(教えてもらってばかりである)。
きっとそう遠くない未来に「子どもが一日中喋っていてつらい」という時期に入ってしまいそうな予感もあるのだけど、今感じた楽しさと嬉しさも忘れずにいたい。一日中喋っていてつらいという気持ちももちろん尊重したいけど。
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