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2023年9月モンゴル旅行記1(成田→ウランバートル)

9月13日

 成田空港第2ターミナルのベンチで起床(前乗りするしかなかった)。吉野家で牛丼を食べ、クレカラウンジでジュースを飲みまくり、飛行機にチェックイン。
 日本海と中国の都市部の上を越え、徐々に人の気配のない高原が広がるようになっていく。9月だと日本の山林はまだ緑が生い茂ってるものだけど、気がついたら眼下の地面が茶色い。飛行機から見る中国北部やモンゴルの景色はすごかった。でかい。何もない。平原や丘陵に、ときたま湖が点在している。人どころか生き物の気配がないことも多い。異世界に来た気持ちになった。

 ウランバートルについたのは夕方だった。滑走路の柵のすぐ隣にヒツジかウマの群れが草を食べていた。モンゴルを感じた。
 空港のターミナル内なのに既にめちゃくちゃ寒い。9月だぞ。
 旅行中はモンゴル人のDちゃん(前の会社の同期)が泊めてくれることになっている。迎えに来てくれる予定のDちゃんから「車を出そうとしたら知らない車にブロックされてて遅れるごめん」的なメッセンジャーが来ていた。このときは意味がわからなかったが後々ウランバートル市内の交通事情を見て理解した。
 暇なのでウランバートル空港をぶらぶらする。少額換金してみたら紙幣が全部チンギス・ハンだった。怖い顔をしている。後々教えてもらったのだが、「ハン」がモンゴル語で「王」を示すらしい。また王は世襲制ではなく、一番強いとか指導力があるとか戦に長けているとか人望があるとかで選出される。「kingではなくpresident」だったそうだ。数百年も前に民主政治をしていたのか、と驚いた。遊牧民騎馬民族の生活スタイルでは、世襲制のボンクラだと役に立たず、実力主義が理にかなってたのかもしれない。また、だからチンギス・ハンはめちゃくちゃに強い英傑で顔が怖いのも尤もということだそうだ。

換金したものの現金はほとんど使わなかった
空港内には日本料理店もあった


 荷物を持ってぶらついているとめっちゃタクシーの運転手に声をかけられるので、「友達が来るはず」とかわした。しばらくするとDちゃんが来てくれた。さっき勧誘してきたタクシーの運転手のおっちゃんが「友達きたんか、よかったな」的なことを言ってくれ、Dちゃんとなにか談笑していた。モンゴル人は初対面だろうと旧知の仲みたいに喋る。話には聞いていたが実際その社交性を目にしてビビり始める。

 ウランバートル空港からウランバートルへの高速道路はすごく立派だった。あとみんな飛ばしまくっている。道の両脇がまじで暗闇で異世界。本物の闇。日本の田舎の高速道路のあの森の暗さじゃなくて、見通しの良い平原の何も無い暗さ。吸い込まれそう。
 ウランバートル市内につくと、さっきまでと打って変わってビルの立ち並ぶ大都会だ。あと運転半端ねえ。道路に車線はあるのだが、ただの飾りみたいになっている。スピード違反という概念もなさそうだった。絶対に今後の人生でモンゴルで運転することはないと誓う、まじで死ぬ。

 助手席から外を見ているとら前を見ても横を見ても後ろを見てもトヨタ車だった。トヨタが外貨を稼いでんだなありがとうトヨタ様と感謝する。

 Dちゃんちのアパートに車を泊め、夕飯のレストランに連れて行ってもらう。来る前に、モンゴル人は遊牧民族だからフレンドリー、町で友達が知らない友達と歩いているのを見かけても話しかけるし、なんならそのまま3人で話し込んだり食事に行って新たな友人になる、電車や道端で知らない人とおしゃべりを楽しむ、等々聞いていたがマジだった。Dちゃんが知らない男の人にすれ違いざまにいきなり話しかけられ、あまり足も止めず二言ほど返していた。「なんて?」と聞いたら「この辺でスマホケース買える店知らない?って」。異世界だ。そんなん往来の知らない人に尋ねようと思ったことない。

 夕飯は洒落た西洋風のレストラン?バー?でデカデカ肉餃子を食べた。ミルクシェイクを頼んだがなかった。モンゴルでは店員と客との会話のノリが友達くらい近い。餃子はありえんデカくて全く減らんかったが美味しかった。1つで私の顔くらいの大きさがある。モンゴル料理は香辛料がほぼ使われておらず、肉汁素材の味一本勝負みたいな、ストレートな味付けが多い。とても食べやすかった。パクチー唐辛子花椒八角セロリ等々のスパイスが苦手でエスニック料理は苦手…、という日本人は多いが(私も)、モンゴル料理は食べやすいと思う。あと店のシャンデリアが豪華でめっちゃ写真映えした。

帰りに寄ったコンビニ
羊肉の焼き餃子
ドリンクメニュー

 家に帰ると帰宅が遅すぎて、Dちゃんの親御さんも弟くんたちも寝ていた。リビングにクッションやふかふかの寝袋で寝床を作ってもらう。明日から田舎にローカルトリップするから5時おきだと言われる。まじか、と思った。ラクダの毛が入っているという寝袋はふかふかだった。ラクダはモンゴル語で「テメー」だそうだ。

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