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月報:2024年4月

春だったね(吉田拓郎)。ヘッダーは帽子を落とす唐川侑己さま。


✅今月したこと

・推しに会いに行くウィーク

第3週のこと。私の推しはだいたい会いに行こうと思えば会いに行ける人たちばかりなのでいいなと思っている。

まずは↓の唐川侑己。

そして次が石坂浩二である。↓で書いたプラモデルサークルのコンテスト。

フォロワーさんの作品が書類審査を突破していたこともあって行ってきた。実は唐川さん先発試合も一瞬行くかどうかためらったのだが、いや、行こう……!となったのは週末にここに行く予定があったからである。推しに会いに行くウィークにしよう!と決意したわけだ。そのおかげですばらしい試合を観ることができた。ありがとう石坂さん。関係ないけど。

で、この前はツーショを撮っていただいたので今回はサインをいただいてしまった。人生で初めて目の前でサインをもらった。人生初サインが石坂浩二。重みがある。ロイヒトトゥルムに万年筆でサインしてもらったのだが、それは石坂浩二にふさわしくていいのだが、問題はこのロイヒトトゥルムはほぼ唐川侑己と大野雄大のことしか書いておらず、サインをしてもらったページには思いっきり大野の誕生日が刻まれた賞味期限シールが貼られてあり(バースデーケーキを買った時の記念)万年筆は室井さんの万年筆だった。全部間違えている。せめて甲斐峯秋の万年筆だろうそこは。このせいで「あっちょっとここ賞味期限のシール貼ってあるんですけどすみません」「ほんとだ(笑)」という謎のやりとりを繰り広げてしまった。さすがの石坂浩二も賞味期限の下にサインをしたことはないであろう。あとサインし終わって万年筆を傍らのサークルの人に返そうとした石坂会長可愛かったな。私のです。いや室井さんのだけど。

こんな流麗な「2024.4.21」がかつてあっただろうか

・唐川しろたんを作った

この中で言いましたけども、3年くらい前から作ろうと思っていた唐川しろたん通称からかわたんをやっと作りました。

まず生地を探すのがなかなか大変だった。ピンストライプなんてポピュラーな柄だと思うじゃないですか。ない。全然ない。ストライプならいっぱいあるけど「ピン」がない。少なくとも私が行ったユザワヤではそうだった。それでワゴンにギュッと詰め込まれていた生地の中からやっとそれっぽいものを見つけ出しました。ちなみに1.5メートルくらいあるのでまだ余りまくっている。人間サイズ作れそう。その後はKARAKAWAってなんでこんなにAが多いんだよと八つ当たりしながらフェルトを切ったり袖の付け方がわからなくなったりしました。でも前身頃の19の「9」の形がうまくできたことはよかったと思っている。

📖今月読んだ本

・恐るべき四月馬鹿/横溝正史

4月だからね。表題作は18歳の頃に書いた処女作。10ページ。18歳でこの切れ味、このまとまり具合。

全部好きだけど「画室の犯罪」「災難」のひっくり返され具合が好き。犯人視点が好きなので「裏切る時計」もいい。「キャン・シャック酒場」は世にも奇妙な物語でいけそうではないか?

・モンテ・クリスト伯(七)/アレクサンドル・デュマ、山内義雄訳

ようやく終わった。めっちゃ面白かった。なんといってもヴィルフォールへの復讐で一線を越えてしまったことを悟った時の伯爵の心境。「復讐するは我にあり」という言葉の通り、やはり復讐は神の領域に属するものであってそれを人の身で行う者は神の領域へ侵入するという覚悟を持たなければならないのかもしれない。もっとも「モンテ・クリスト(=キリストの山)」を名乗った時点でエドモン・ダンテスの中にはその覚悟があったのでしょうか。
決して痛快な復響劇ではないけどそういう重苦しいのが好みではある。「キル・ビル」もヴァニータを殺したブライドがその死を目撃したヴァニータの娘に大人になったら復讐しに来ていいって言うシーンとか好きだったもんな。

そして先月ダングラールがどうなるのか楽しみって言いましたが、個人的にはあれが一番いいやり方だったなと思う。ので満足。ダンテスのこと見くびってたからね。ターゲットの一家のうちダングラール家だけ誰も好きになれなかった。夫人もアレだしユージェニーも鼻持ちならなすぎたし(ヴァランティーヌがあの人のこと好きな人なんているのかしら的なこと言ってたけどその通り)。モルセール(フェルナン)家はメルセデスはもちろんアルベールも立派だったし、ヴィルフォール家にはノワルティエとヴァランティーヌがいるし。ヴィルフォール自体も嫌いになれない。出世のために手段を選ばない男が好きなので……復讐されるリスクヘッジをちゃんとできてる男がもっと好きだけど……。

・最新版 指輪物語(旅の仲間 下、二つの塔 上・下、王の帰還 上・下)/J・R・R・トールキン、瀬田貞二・田中明子訳

ようやく終わった。めっちゃ面白かった(ここまで今月2回目)。もう本当にすさまじく面白かった。こんなに面白かったとは知らなかった。これもモンテ・クリスト伯も、長きにわたって読み継がれている作品というのは個人の好みはあれど基本的に面白いから生き残っているんだなと改めて思わせてくれる本であった。参りましたという感じです。別に喧嘩売ってないけど。怒涛の勢いでカタカナが迸ってくるのはカタカナ苦手な人にはあれかもしれないが、私はカタカナ大好きなので余裕でした。早くポケモンであく/ひこうに「ナズグール」ってつけたい。

サムがとてもいいやつだった。友達になってほしい。お父さんに言われたことばっかり思い出してるの好き。サルマンの末路には満足した。ダングラールの時と同じこと言ってる。フロドがゴクリを殺さなかったことが報われたの素晴らしい。あと終盤に入ってから映画「ロード・オブ・ザ・リング」でレゴラスを演じたのがオーランド・ブルームであることを知り、もっと早くオーランド・ブルームで再生しとけばよかったなと思いました。

・ペスト/アルベール・カミュ、中条省平訳

ちょっと前に流行ってたけどなぜかその真っ最中に読みたくなくて今読んだ。ロックダウンまではされなかったのでオラン市ほどではなかったと思うけど、確かにおおまかな状況は似てる。真っ最中に読んでたら臨場感あっただろうな。お腹空きすぎてる時に読んだみーまー4巻(家に閉じ込められて食べ物がないやつ)みたいに。

オトン判事の小さな息子が死んだ場面がクライマックスだった。リュー医師がパヌルー神父にペストは人の罪への報いだと言うがあの子には罪なんてなかった、と怒りをあらわにするところも。こういう疫病や天災を天罰呼ばわりするやつ全員に言ってやりたい。不条理はただの不条理であって意味などないからこそ不条理。

・死神の矢/横溝正史

横溝作品「悪魔の○○」(「○○の悪魔」も)多すぎ問題について考えていたらこれの解説で指摘されていた。それはいいとして、金田一ものでは「○○の矢」も2作品ある。表題作と「毒の矢」。矢が凶器になる話といえば「魔女の暦」も。表題作は古館博士と早苗さんの父娘の気持ちに胸を打たれる。胸を射られるのは嫌だけど打たれるのは良い(横溝作品人名被り問題もあると思う。両方どっかで見たことある名前)。被害者に同情できなくて犯人に同情しちゃうという相棒でもよく見るパターンでした。

「蝙蝠と蛞蝓」。実はこっち目当てで読んだ。かなりの異色作だけど他人の視点で描かれる金田一さんということで「八つ墓村」と並んで貴重。金田一耕助という人間を考えるにはマスト。めちゃくちゃボロクソに書かれてるけど。しかし見た目とフラフラしてるところが気に入らないというだけでここまで嫌える主人公がすごい。金田一さんを超えるアクの強さ。とりあえず実在人物をネタに創作する時は気をつけよう!

・ミステリな建築 建築なミステリ/篠田真由美

「悪魔が来りて笛を吹く」の椿邸目当てで読んだけどミステリの中に出てくる建物の構造を考えるだけでなく実在した建物の謎を考えるパートもあって新機軸で楽しかった。「建築知識 2021年12月号 洋風住宅・洋館の用語図鑑」を読んでいたため用語がある程度わかりました。建築知識 2021年12月号 洋風住宅・洋館の用語図鑑と一緒に読もう!エクスナレッジの回し者ではありません。

椿邸のパートで「皇居から車で四十五分以内で、それなりの広さがあり、設備の状態が良好な洋室のある住宅は、占領下の日本に駐留した米軍が必要とした高級将校らの住まいとして、強制的に借り上げられ」(p.112)とあったところで石坂さんの田園調布の実家の洋館が米軍に接収されてたのそれでか~と思いました。しかし田園調布の洋館が実家なの強い。米兵と同居してたのも強い。

🎵今月の一曲

♪テイタム・オニール/スピッツ


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