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バーガーキングを救え!

こんにちは、こおるかもです。
今日は、ぼくの近所のハンバーガー事情のお話。


ぼくら夫婦は、2年前にこの街にやってきた。

この街というのは、イギリスはオックスフォード州にある田舎町である。
だからといってオックスフォード大学がそばにあるわけでもない、道を行けば牛や鹿が飛び出してくる、そんな街だ。

この街には、中心部にショッピングセンターがある。

駐車場に隣接された大手スーパーマーケットチェーンであるSains Bury'sを中心に、同心円状にアーケード街がのびており、レストラン、家具・家電、洋服、子供用品店などが軒を連ねている。カフェはスタバとコスタがあり、平日、土日と関係なく人が賑わっている。

その中でもぼくらのお気に入りはこのバーガーキングである。

ぼくらはたいてい、日曜日のお昼に出かけて、Sains Bury'sで買い物をしたあと、およそ2週に1度のペースでこのバーガーキングでお昼ご飯を食べる。
それはぼくらにとって、渡英以来のルーティーンであり、ちょっとした贅沢であった。

しかしある日、そんな日常に嵐が吹き荒れた。

なんと、隣にKFCができたのだ。これ以上の隣接など世界に存在し得ないほど、隣に接する形でKFCが居を構えた。

そして、KFCは開店から毎日のように繁盛した。

妻によれば、ローカルコミュニティでの奥様方の話題はKFCでもちきり。いやもちきりは言い過ぎにしても、みんなが挨拶代わりに、「KFCできたの知ってる?行った?」と聞いてきたそうだ。

ぼくらは知っている。イギリス国内では、KFCの人気が高いことを。
そして、KFCの方がおいしくて、しかもコスパも良いということを。

ある日ぼくらがいつものように日曜日、バーガーキングへ入店すると、そこにはこんな光景が広がっていた。

誰もいない。人っ子一人いない。

あわてて一度外へ出て、営業しているのか確認した。
している。間違いない。でもお客さんはいない。

嫌な予感が胸をよぎる。
隣のKFCを覗いてみた。

やっぱりだ。みんなKFCへ鞍替えしたのだ。
みんな、嬉々として注文パネルに釘付けになっている。
まるでこの街でようやくちゃんとしたハンバーガーが食べられるとでもいわんばりだ。

まずい、このままではバーガーキングが潰れてしまう。

たしかにKFCはうまい。フライドチキンこそ正義だ。

しかし、ぼくはこの2年間で育まれたバーガーキング愛を簡単に捨てるわけにはいかなかった。

あの厚ぼったいポテトも、パサパサで薄いバンズも、ケチャップくださいといったら雑に5~6個ぶん投げてくる徹底された接客マニュアルも、すべてが愛おしい。

その日から、ぼくらのバーガーキング救出作戦は開始された。

まず頻度を上げた。

妻は少し嫌がっているものの、いままでは隔週だったのを、ほぼ毎週バーガーキングで食べるようになった。

ちなみに最近流行っているのはこのメルトバーガーシリーズである。ポテトとセットでなんと2.99ポンドである。特にチキンはカリカリしていて本当にKFCに見劣りしない。

左がメルとバーガー、右がメルトチキン

さらに、時たま日本から友人が来たり、イギリスでできた友人をオックスフォード観光につれていく際には、さり気なくバーガーキングに誘導した。メルトチキンまじで美味いからといって食べてもらえば、みな満足していた。

そんな努力を重ねていたころ、さらなる悲劇がおきた。

この街にマックが襲来した。

終わった。

しかも中を覗いてみると、しっかり満席だ。
しかもテラス席まである。

終わった。

そしてこのポテトのおいしいことよ。(敵情視察として食べただけだ)

終わった。

というわけで、今、バーガーキングは一層閑散としている。

今は妻と娘が一時帰国中のため、ぼくはこれまで以上に精をだして、バーガーキングに通っているが、果たしてこれがどのくらいの延命措置になるのかはまったくわからない。

みなさんの力が必要です。

みなさんも、イギリスにお住いの方は特に、ぜひ一度バーガーキングに貢献してください。もしもオックスフォードへお越しの際は、連絡をくれれば観光案内+バーガーキングをごちそうします。


というわけで、バーガーキングが大好きっていうしょーもない話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。

よい週末を。

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