見出し画像

高収入共働き夫婦は所得金額調整控除という呪文のような控除を確認しましょう#0266/1000

受けられる人が少ないので見逃しがち、要チェック控除!

所得税は、そのひとの「所得」にたいして税率をかけて計算しますが、その「所得」をだすにあたり、実際支払われた給与収入から「引き算していいよ」というのが「控除」。

ざっくり言うと、
収入-経費-控除=所得
という図式になります。
※副業をしていない会社員は原則「経費」なし

この控除、基礎控除や配偶者控除などがあり、「控除の控除は15種類」とかかれているネット記事もありますが、じつは、そこにカウントされていない控除があります。

それが
「所得金額調整控除」。

長い呪文のようでわかりにくい名前ですが、高収入の共働き夫婦には、必ずチェックしてほしい控除です。

年収が850万円を超える見込みで、小中高校生のお子様のいる方。

この名前にいまいちピンとこないという場合は、すぐご自身が申告しているか確認してください。

まだ間に合うかもしれません!

どんな制度?

ここ5年ほどで、税金のしくみは以下のようにかわりました。

配偶者控除:2018年(平成30年)以降、合計所得金額(収入から経費や控除をひいた額)が1000万円を超えると受けられない

基礎控除:2020年(令和2年)以降、合計所得金額ぎ2500万円を超えると受けられない

控除が受けられないのですから、所得税の税率をかける金額が減らせないということで、そのぶん税金が高くなる計算になります。

高収入の人にかかる税金が増えたということです。

でも、高収入でも、国として配慮が必要な人々はいます。

それは、この少子高齢化の社会で子育てをしている人々や、ご本人が重い障害をもたれている人、そして配偶者や家族に重い障害がある人です。

そこで生まれたのが、所得金額調整控除なのです。

  • 本人が特別障害者に該当する者

  • 年齢23歳未満の扶養親族を有する者

  • 特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族を有する者

このどれかに当てはまる、給与収入等(所得ではなく)が850万円以上のひとは、この所得金額調整控除が受けられるのです。

では、どのくらい税金の対象外にしてくれるかというと、収入850万円を超えた分の10%、収入が1000万円を超える場合は1000万円の10%、つまり最大15万円です。

15万円、というと少なそうですが、所得900万円を超えるとかかる税率は33%以上になります。

つまり、15万円×33%で49,500円税金が低くなるのです。

さらに重要な注意点!

なぜ、タイトルを「共働き夫婦」としたかというと、ここにこそ、この控除のポイントがあるからです。

通常、扶養家族の控除といえば、その世帯で主な収入源をかせいでいるひと、一人しか扶養家族にできません。

たとえば、16歳以上の子どもひとりについて扶養親族にできるのは、両親のどちらかですし、母親を扶養親族にできるのは、子どもか、母の配偶者のどちらかです。

ここを誤ってふたり以上が扶養の対象とすると、税務署のチェックにひっかかり、扶養是正ということで修正をもとめられます。

ですが、この所得金額調整控除は、両親ともに使えるのです。

だから、双方とも年収850万円を超える共働き夫婦、いわゆるパワーカップルであれば、両親ともに使えるのです。

対象になるかたは多くはないですが、もしや年収いくかも?と思うかたはぜひ今年の年末調整から確認してみてください!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?