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国民年金は誰もが入らなきゃいけないし払わなきゃいけない? 0461/1000

2023/6/26、本日のニュースに国民年金の納付率についてのものがありました。

広報活動したり民間業者を使ったりキャッシュレス納付をすすめたりといろいろな対策をとったことにより納付率が8割にまであがった!という良いニュースもありますが、免除猶予対象者がいまだ多く高止まりなど、なかなか解決できない問題もあります。

そもそも、国民年金という制度は、国の制度で、日本に住所があるひとは、たとえ外国籍のかたでも全員加入しなければならない、「国民皆年金」と呼ばれる制度です。

たとえば以下の全体図をみると、ほとんどの人かなんらかの形で入っている(国民年金2号は会社員、3号は会社員の配偶者、第1号厚生年金は公務員などをさします)ことがわかります。

そういったひとたちは、会社や官公庁がきちんと義務として手続きをすることになっているので、あまり問題になることはありません。

問題は、そういった会社や官公庁といった強制的に手続きする第三者のいない、「国民年金第1号被保険者」です。

会社勤めではない、お仕事のない方や、個人事業主のかたが対象です。

国民年金は原則60歳までの加入なので、歳をとってからもらえる老齢年金をもらって生活しているひとは、ここにはほとんど含まれません。

20歳から60歳までの人、というくくりになります。

ここで問題になるのが、「加入」しているといことと、保険料を「納付」していることは、別だということ。

国民皆年金で、誰もが入らなければいけないのに「加入」というと、加入するのかしないのか選べそうに思えてしまいますね。
ですが、現実は選べません。

ですが、「加入」していても、「保険料を払わない」というケースもあります。

それが、上の図でいう、「法定免除・申請全額免除者等」と、「未納者」です。

では、保険料を払うと払わないのとでどう違うのでしょうか?

答えは、もらえる年金の金額が変わります。

20歳から60歳まで、全期間フルフルに保険料を払った人は、令和4年度だと、1年間に満額77万7800円がもらえます。

保険料は、月ぎめで、原則1ヶ月あたり16,520円です(令和5年度)。

全期間480ヶ月納めて満額なので、少しでも納めない月があれば、そのぶん減っていくということになるのです。

ですから、保険料を払えば払うほど満額まではもらえる年金が増え、払わない月が増えれば増えるほど、もらえる年金が減る、ということになります。

では、480ヶ月全期間払わなかったら、もらえる年金はゼロ円でしょうか?

実は、もらえるケースもあります。

ここで重要になるのが、さきほどの「法定免除・申請全額免除者等」と、「未納者」の違いです。

実は、480ヶ月全期間「法定免除」や「申請全額免除」のひとであれば、保険料を納めていなくても、満額の年金のおよそ半分をもらうことができます。

とはいえ、この免除対象者は、障害のあるかただったり、生活保護を受けているかただったり、年収のいちじるしく低いかただったりと、条件があり、自分でえらぶことはできません。

ですが、もし条件にあてはまるのに、保険料を払うのはお金的にきついと思ってただ納めないままだと「未納者」となってしまいます。

「未納者」は、救済措置はまったくなく、保険料を払わなければそのぶんもらえないままです。

保険料を払う余裕がない、と思ったら、そのままにするのではなく、まずはいくつかある「免除」の種類のどれかにあてはまらないか、市区町村に確認してみることが大事です。

もしそんな話を身近で聞かれたら、市区町村への相談をすすめてみてください。

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