見出し画像

雇用だけど事業主はいない?労働者協同組合スタート1年で59法人

「労働者協同組合」とは、雇われる形で労働基準法や最低賃金法などに守られるけれど、事業主がいるわけではなく、皆で意見を出し合って自分たちで動いていく、新しい法人のかたちです。

昨年2022年10月に施行された「労働者協同組合法」により制度がはじまり、1年が経ちました。

地域の支え合いのひとつの要となる組織として期待されているこの組織、1年で59法人が誕生したと公表されました。

福祉関係の事業がやはり多く、地域で根を広げていますが、ユニークな事業もあります。

1年目の振り返りをみると、副業・兼業とも相性が良いようで、これからますます既存と新しいものの隙間にフィットして活用されそうな制度です。

そもそも労働者協同組合とは?

労働者協同組合は、基本原理に従い、持続可能で活力ある地域社会に資する事業を行うことを目的に定められた組織です。

基本原理とは以下の3つです。
(1) 組合員が出資すること
(2) その事業を行うに当たり組合員の意見が適切に反映されること
(3) 組合員が組合の行う事業に従事すること

これが、事業主がいないゆえんです。

以下に特色がまとめられていますが、営利目的ではないので、許認可関係も比較的ゆるく設定されています。

同じく営利目的ではないNPO法人との違いは、NPO法人は自治体での認証がいることなどがあります。

既存の法人制度との比較をみると、労働者協同組合の特色がよくわかります。

どんな事業がある?

障害者支援、高齢者介護、生活支援、子ども食堂など福祉にとりくむ組合が多いですが、なかには、こんな事業もあります。

・放置された荒山を整備してのキャンプ場経営
・歯科医院の経営
・音楽イベントの企画
・IT関係業務
・空き家管理
など。

世の中の困った!を解決しようと思った時に、株式会社を作るのはなかなかハードルが高いもの。

問題意識を同じくするものどうしが資金を持ち寄って話し合いながら進めていく労働者協同組合はそれよりはチャレンジしやすそうです。

来年10月までの1年でまたどのように増え、どんな事業に広がっているか、今後が楽しみです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?