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【日常雑記】「転石苔むさず」今は心にとめておくべきことわざでは?

「転石苔むさず」、「転がる石には苔が生えない」ということわざがあります。

このことわざ、まったく違うふたつの意味で使われることをご存じですか?


1.「転石苔むさず」のふたつの意味

意味としては、英国式の「世の中に合わせ行動を軽々しく変える人は結局成功しない。」とするものと、米国式の「世の中に合わせて、柔軟に行動が変わることにより、失敗を避けることができる。」の相反する2通りの解釈があるが、日本のものは、英国の解釈によっている。

今の世の中、この米国式の「世の中に合わせて、柔軟に行動が変わることにより、失敗を避けることができる。」解釈こそを念頭に置きたいと思う体験を今日したので、ここに書き記します。

2.転石苔むさず、でより高みをめざす

本日、敬愛してやまない社会保険労務士の先生の事務所に訪問させていただく機会がありました。

その先生は、お仕事の確かさはもちろん、組織にたいして、なかなかできない深い考えを持ち実践もされているかたで、そのお話をぜひお聞きしたいと思っていました。

どんな点がなかなかできないかといえば、たとえば、1on1で、部下の不調に気づいたとき、いろいろ話を聴いたうえで、「じゃあしばらく仕事をお休みしてみる?」と提案し、実行するようなことです。

「不調に気づいて話を聴く」まででも、なかなかできないことなのではと思います。
ですが、そこで、診断書があるわけでもない現状で、休むをいう選択肢を提示できる、そして休みたいという部下の決断を応援することができる。

そこまでできるところは、ほぼないのではないでしょうか。

その先生は、離職者が相次いだ時期に、どうすればいいのかを悩み、学びの場で多方面からの意見も聴きつつ、実がなるまで時間のかかる組織開発に着手されたとのこと。

職場環境を、職員との対話・コミュニケーションを繰り返しながら作っていき、しかも一定の成果が出せても「これで終わり」ということなく、それがスピード感をもって絶えず現在進行系で続けられていっている様子を、スタッフの方のお話と、チャットのやりとりやミーティング資料等まで見せて頂き、リアルに確認することができました。

その会社の特徴のうちひとつを選ぶならこれ、と挙げられた制度さえも、継続が保証されているわけではないのです。

「これ、なんのためにやっていること?」と絶えずまな板の上にのせられ、やっているデメリットのほうが大きいと職員が判断したら、なくす、または形を変えることが認められています。

やると決めたら、やる仕組みをつくり、やらない言い訳ができてしまうような状況を取り除いていき、できないときはどうしたらできるかを一緒に考えて成し遂げていく。

だが、そのことにやる意味がなくなったと判断したら、いさぎよくやめる。

その判断と行動のスピード、まさに転石苔むさず。
そしてそれを支える信頼関係があるから、その会社は、あらゆるスタッフが主体的に動き、その良さを高め、周囲にもセミナーのかたちで影響を与えているのです。

その会社は、「なにか意見ありますか?」と聞かれて、「ありません」という人はひとりとしていないそうです。

打ち合わせのどんな話にでも、良かった点とこうしたらもっと良くなる点などを、だれもがフィードバックできるとのこと。

そう聞くと、「なにか意見ありますか?」と聞かれて、「ありません」というやりとりは、その人が本当に「なにもない」のではなく、言えないその「場」に問題があるのかもしれません。

私は、まだまだ自分の城さえこれから築き始めるところです。

ですが、簡単には答えがでない問題に対して、解決することを諦めたり、もっともらしい雑な結論を出して終わりにするのではなく、「きっとこっちだ」と思う方向に、効果的な方法を探りながら行動し続ける、現状維持の引力に負けず転がる石になる、私もそういう職業人でありたいと強く思いました。

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