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国民への報告を受け取ろう~財政法第46条に基づく国民への財政報告 #0029/1000

今日は「財務省・新着情報メールマガジン」4月12日版の記事から。

令和4年度 財政法第46条に基づく国民への財政報告」が公表されました。

つまりは日本国の収入・支出の報告です。

余談ですが、国のお金の話では「歳入」「歳出」という言葉をニュースでよく聞きますが、この言葉の定義も「財政法」で定められており、収入・支出とは若干意味がことなります。

「財政法」第二条第四項

歳入とは、一会計年度における一切の収入をいい、歳出とは、一会計年度における一切の支出をいう。

つまり、国の収入・支出のうち、会計年度(4月から翌年3月)で区切ったものが「歳入」「歳出」になります。

どうして「国民に報告」なのか

「財政法」の第46条には、第1項に、このように定められています。

内閣は、予算が成立したときは、直ちに予算、前前年度の歳入歳出決算並びに公債、借入金及び国有財産の現在高その他財政に関する一般の事項について、印刷物、講演その他適当な方法で国民に報告しなければならない。

また、これは日本国憲法にも定められています。「憲法第91条」にはこうあります。

内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。

これに基づき、財務省が報告を行っているわけです。

つまりは、国民の権利。

権利であるからには、しっかり報告を受けて、確認することが必要でしょう。

財政報告の内容は?

財政報告の「令和2年度決算」には、まずこう書かれています。

2年度決算は、3年9月3日これを会計検査院に送付し、その検査確認を経て3年12月6日第207回国会に提出した

まとめた結果を会計検査院が検査確認し、それから国会に提出、その後、こうして国民に公表されるという流れがわかります。

また、以下のようなまとめがあります。

一般会計の決算について説明すると、 歳入決算総額は 184,578,838,246千円 歳出決算総額は 147,597,358,991千円 であり、 歳入歳出差引き 36,981,479,254千円 の剰余を生じた。

歳入は184兆円、歳出は147兆円、という数字です。

数字自体は以前の数字ですが、国税庁には歳入・歳出を円グラフにしたページがあります。

教科書でよく見るものですね。

これに基づいてみていくと、「租税及印紙収入」が55兆にたいして「公債金」(借金での収入)が112兆もあります。

みるからに借金経営です。

では、歳出はどうなっているでしょう。

歳出のうち、いちばん大きい数字はやはり年金や健康保険などの「社会保障関係費」がだんとつで48兆円です。

ほかはというと、多い順番に、

  • 中小企業対策費:27兆円

  • 国債費:23兆円

  • 地方交付税交付金:16兆円

  • 公共事業関係費:13兆円

  • 文教及び科学振興費:10兆円

  • 防衛関係費:6兆円

という数字になっています。

「中小企業対策費」は、コロナで苦しむ事業者等の事業継続や事業承継支援、生産性向上を支援する取り組みへのお金。

経済産業省ホームページに詳しく内容が記載されています。

「国債費」は、借金を返すためのお金です。

日本では低いと言われている教育費は、それらや公共事業関係費の下です。

他国との比較や、歳出の内容まで吟味せずに「低い!」とは言えないものの、重点的にお金をかけているとも思えない順位です。

また、このなかには「皇室費」もあり、141億です。

皇室の暮らしぶりはそれだけを取り出すと予算がたくさんかかるように思えますが、他と比べればそれほどでもないようでした。

国債の残高

最後に気になる数字を。

報告の最後には、「第3部 令和2年度末における国債、借入金及び国有財産現在高」という章があります。

ここによると、なんと、借金全体は1216兆。

そのうち、「普通国債」は946兆です。

歳入の5倍近い数字が、借金の残高としてあることになります。

「歳入」と「歳出」だけ見ていると、残高まではわからないものです。

「日本はこれだけ借金を重ねているんだ」ということを、報道で煽られるのではなく、自分の目でたしかめておきたいものです。

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