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住民票上の「通称」の扱いとマイナンバー

18万人の社員の、この6月からお給料から天引きする個人住民税新税額を、ダウンロードしてはチェックする作業に追われています。

なかには、外国籍のかたも多くいます。

外国籍の方を雇用するときは、厚生労働省への届出を行なうことが法律で決められています。
これを「外国人雇用状況」といいます。

ですので、外国籍で働いているかたがどのくらいいるかは、その届出からわかります。

令和4年10月届出時点では、外国人労働者数は 1,822,725 人、前年比 95,504 人増加、この届出が義務化された平成19年以降過去最高を更新、ということになっています。

つまり、個人住民税をお給料から天引きするかたも、過去最高レベルにいるということ。

そこで、ひとつ困った問題がありました。

住民票の「通称」です。

1.住民票の「通称」とは?

外国籍のかたの「通称」とは、「住民基本台帳法」の施行令で定められた制度です。

通称をあらたに登録場合は、その通称を、日常の社会生活上使用していることのわかる確認書類が必要となります。

その確認書類としては以下のようなものです。

  • 勤務先で発行された健康保険証、在職証明書等(住所が記載されたもの)

  • 学校で発行された在学証明書、生徒手帳(住所が記載されたもの)

  • 預金通帳等(証明等の種類によっては複数必要)

つまり、その通称が職場や学校等で使われていることを前提に、通称として申請できることになります。

もちろんのこと、通称として使っていれば何でもOKになるわけではなく、「当該呼称が居住関係の公証のために住民票に記載がされることが必要であることを証するに足りる資料を出す」ことが義務づけられています。

根拠となる、住民基本台帳法の施行令第30条の16は以下のようになっています。

これを住所地が審査し、認められれば、住民票に記載されるわけです。

通称を付けるにはいろいろな理由があるとは思いますが、名前が長かったり複雑で日本語話者になかなか呼んでもらいにくい場合や、外国籍であることをあまり明らかにしたくなくて、日本名の通称をつけるなどが多いようです。

2.手続きは「通称」を避けるかマイナンバーで!

ですがこの「通称」、自治体によっては、個人住民税の新税額データもその名前で送ってくるところがあります。

本人に渡す、新税額をお知らせする通知書は通称でいいかもしれません。
職場で配られることを考えると、むしろそれがしっくりきます。

ですが、会社がお給料から天引きするためのデータにまで「通称」を入れられると、会社では「通称」で働いていないひとが、住所と生年月日は一致しているのに、名前がまったく違うから別人に思えて、困ってしまいます。

会社は毎年1月に、「給与支払報告書」で、社員のお給料を市区町村に届け出ています。

会社はそこに載っている名前で、その人を認識しているわけですから、届いたデータがそれとは別人だと非常に困ることになるわけです。

ぜひ、市区町村には、会社が把握している名前での処理をお願いしたいものです。

とはいえ、お名前はなかなかデリケートな問題でもあるので、こういうとき、マイナンバーのありがたみがわかることになります。

マイナンバーのセキュリティが心配な気持ちはありますが、マイナンバー12桁を見ただけでは、どこの国のひとかも、性別も年齢もわからず、個人情報の詳細に触れることなく処理ができます。

これからは、会社にあまり個人情報を知られたくないかたも増えているでしょうし、そのほうが向いているのではないでしょうか?

100%安全なセキュリティは夢物語。
総務省が現場である各市区町村のフォローをしつつ、最大限可能なセキュリティ対策をもとに、もっとマイナンバーが活用できる状況になることをのぞみます。

このアイキャッチはAIイラストくんで作成しました。
プロンプト:無機物、物、マイナンバーカード

リクエストは無機物のはずでしたが…

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