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政府税制調査会に初の女性会長、進むか?配偶者控除検討〜配偶者控除をなくすのではなく扶養控除へ

1.政府税制調査会の風向きが変わる?

各ニュースで取り上げられていますが、税制改正を検討する政府の税制調査会に初の女性会長が就任し、委員の女性割合も4割を超えたそうです。

こちらが委員の名簿です。

委員会で言及されたのが、配偶者控除。

報道では、委員のひとり奥平准教授が、
「すでに制度上の壁はなくても、制度が人々の価値観を変えてしまった。短く働くことがいいことだという雰囲気をつくってしまった」
と指摘したことにも触れられています。

個人的には、初の「女性」会長、と性別が強調されることに、「まだその段階なんだな」ともやもやします。
朝ドラ「虎に翼」の影響かもしれません。

ですが、事実、日本はまだその段階です。
また、配偶者控除については、その控除をうけることの多い、税金が安くなる側(ほぼ男性)が多数の場で、これまで議論されてきました。
それが、これまで配偶者控除のために収入を抑えてきた側(ほぼ女性)も半数近く参加しての議論となるわけです。

どのように変わるのか、あるいは変わらないのか?
注視していくべきところです。

2.配偶者控除はすぐやめて扶養控除に

個人的には、配偶者控除はすぐやめて、配偶者も扶養控除の対象にすべきだと思います。

家庭の事情も、結婚のかたちもさまざまな昨今。

一億総中流と言われた時代とは大きく異なってきています。

となると、医療の話もそうなのですが、これまでのような"属性"しばりは、現実に合わなくなってきます。

高齢者だから、医療費が軽くなる。
配偶者控除だから、控除を多めに見てもらえる。

そういう属性しばりではなく、かせぐ力である所得、もっと言えば、保有している資産もふくめた「生活のためのお金の力」の保有額でラインを作るほうがシンプルではないでしょうか?

今回の税制調査会の資料には、こんなグラフもあります。

▶税制調査会資料はこちら
https://www.cao.go.jp/zei-cho/content/6zen2kai1.pdf

共働き世帯は、このグラフのようにどんどん増えています。

が、それでも、30〜34%は、共働きではない世帯があります。

世帯によっては、親の介護や、ご本人が病気がちだったりして、共働きが難しい状況はあると思います。

ですが、そういった事情は、配偶者でも、子や兄弟でも同じ。

かせぐ力が今はないという人が同じ世帯にいて、その人のぶんも生活費を負担している人がいるのであれば、それは、配偶者だからとかではなく、家族として配慮されるべきです。

配偶者控除が認められるラインと、扶養控除が認められるラインは、同じ所得48万円です。

同じ世帯で、扶養される人はかせぐ力である所得でラインをひき、同じ扱いにするのがシンプルではないでしょうか?

配偶者のみ、給与で201万6000円を超えなければ…などと別の基準を設けるから、ただでさえややこしい税金が、さらにややこしいことになるのです。

配偶者控除をなくすなとはいいません。
扶養控除と一緒にしてはどうでしょう?


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