2022年国民生活基礎調査からみるリアルな今②子育て世帯は高収入?
前回ご紹介した国民生活基礎調査をもとにしたこんな記事が、日本経済新聞でありました。
子育て世帯、所得は一般の1.4倍 世帯数初の1000万割れ:日本経済新聞
元ネタは以下の資料です。
日本経済新聞の記事にはこんなコメントもあります。
この資料からではさすがに「お金があるから子どもが持てる」ということは難しいですが、日本経済新聞では、内閣府の資料を補助線にとりあげています。
その内閣府の資料とはこちらでしょう。
令和4年2月に公表された、「日本経済 2021-2022」という白書にある図の、右下のグラフです。
これをみると、たしかに山が12.9%から9.4%に低下しています。
グラフを追いかけていくと、年収が600万円近くあたりからは減っておらず、700万円あたりは逆に増加に転じています。
今回の子育て世帯の所得の平均785万円というのがリアルに感じられるグラフです。
ですがこれはあくまで「世帯所得」。
共働き世帯が増えていることは、以下の第1子出産後も働いている女性が70%弱いるという割合の増加でもわかります。
785万円はふたりでかせげば約393万円。
単身世帯の年収が、30代前半で平均約430万円、いちばん人数の多い中央値が約330万円ですから、二人力とすればそれほどかけ離れた数値ではありません。
今回の報道が、「やっぱりそれなりの収入がないと…」と思う人を増やしてしまうことがなければいいなと思います。