会社をやめてから働いた分のお給料をもらうとき、所得税には気をつけて 0363/1000
毎月かならず給与明細を確認します、というひとはどのくらいいるのでしょうか?
そんなアンケートがあればなと思いましたが、見つけられませんでした。残念。
今回お伝えしたいのは、会社をやめたあとにそれまで働いたぶんのお給料をもらうときは、給与明細をみて、ひかれる所得税に注意というお話。
会社をやめたあとにもらうお給料、ときいて、??と思う方もいると思いますが、じつはごくふつうのことです。
たとえば3/15に退職した場合。
3/15まで働いたぶんのお給料を3/31にもらう、または、翌月1日や10日にもらう。
ふつうにありますよね。
世の中には、基本給や手当が先払いの会社もあります。
25日が給料日の場合で、その月の1日から末日までの基本給や手当を、25日に払ってしまうスタイルです。
この場合、月末退社であれば、やめるまえの25日に、お給料をもらうことになるので、今回のケースには該当しません。
ですがこの場合でも、残業手当が時間で計算されてつく場合は、翌月にプラスでそのぶんが支払われることになり、「やめたあとにもらうお給料」が発生することになります。
25日給料日に未来の残業時間まではわかりませんものね。
その場合、注意しておきたいことがあります。
それは、法律通りただしく処理されれば、最後のお給料からひかれる所得税の種類は、それまでとは違うケースが多いということ。
これまでつとめていた会社で年末調整を行なっていた人は、ひかれる所得税の種類が確実に変わります。
なぜかというと、年末調整を会社でしてもらっているひと(年始に扶養控除申告書を出しているひと、とイコールです)は、所得税の種類が「甲」という種類で、ひかれる所得税が優遇されています。
「甲」の意味合いは、「ここの収入が生活費のメインです」ということ。
なので、生活に配慮して、低めの所得税となっており、扶養家族が増えれば増えるほど、その所得税も低くなる仕組みになっています。
ですが、それは、会社にまだいる期間の話。
会社をやめる=会社との雇用契約が終わると、その扶養控除申告書の「甲」も効かなくなる、ということに法律ではなっています。
「甲」にならないのならばどうなるかというと、「乙」になるということ。
「乙」は、ダブルワークのかたや年金をもらわれているかたなど、複数の収入があるひとを対象にしたもので、所得税をとりはぐれないよう、高い金額に設定されています。
つまりは、こういうこと。
会社をやめる
→甲の対象者ではなくなる
→乙になる
→ひかれる税金が高くなる
国税庁ホームページにも、しっかり記載があります。
ええっ!と思われたかたは、国税庁ホームページの終わりのほうを見てください。
実は、そうはいっても、最後のお給料だけひかれる所得税が高くなる、というのは一般的ではありません。
ここに記載があるように、退職後、その退職者に、同じ年のうちに給与等の支給をする時、そのひとがほかのところに扶養控除等申告書を提出していないことが明らかな場合は、「甲」で計算してよい、となっているのです。
ですのでほとんどの場合は心配いりませんが、時にはきちんとその通りにやっている会社もないとはいえません。
思ったより手取りが少なくなる場合もありますので、要注意です。
ですが、最後のお給料が乙で高い所得税がひかれているからといって、とられっぱなしではありません。
その同じ年に次に入った会社に、前の会社の源泉徴収票を提出したり、翌年、自分で確定申告をすれば、トータルで計算した結果払いすぎていた所得税は、ちゃんと帰ってきます。
最後のお給料明細、感慨深いですが、そういうポイントも見ておくとよいかもしれません。
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