夏のボーナス前年比べ~鉄鋼関係がすごい!#0173/1000
厚生労働省から、今日、今年の夏のボーナスの主要企業妥結状況がオープンになりました。
このニュースのポイントは「妥結」という言葉。
聞きなれない方もいるかもいるかもしれませんが、労働組合のある会社は、その年のボーナスの金額を勝手には決められません。
労働組合と交渉に交渉をかさね、お互いに譲れないところを調整して、最終的に決まるのです。
妥結という言葉の意味は、
「相反する利害関係にある二者が、互いに折れあって話をまとめること」
(コトバンク)
つまり、ボーナスをなるべく抑えたい会社側と、なるべくあげたい労働者側が、折れあって話をまとめるのが「妥結」。
ここではボーナスを取上げますが、例えば給与の基本給は上げないけれど、そのかわりボーナスは上げる、などの折れあいかたはよくききます。
ボーナスは一時的なものなので、工面しやすいからです。
つまり、業績の影響も大きくうけるということ。
ボーナスの金額で、その業界がいま元気かどうかもある程度わかります。
では今年の夏の賞与はどうだったのでしょうか。
381社の平均妥結額は83万2340円。
昨年と比較して5万8708円(7.59%)の増加で、夏季一時金の前年比増加は4年ぶりとのこと。
好調だったようです。
ですがここにも平均の罠。
実際業界別の数字をみると、かなり開きがあるのがわかります。
対前年比のマイナス幅がいちばん大きいのは、精密機器業界。
-23.10%、557,053円となっています。
対してプラス幅がいちばん大きいのは、なんと+78.69%、992,409円で、鉄鋼業界。
公表されている21業種で、前年比マイナスは精密機器はじめサービス、卸小売、電力ガス、建設の4業種。
5分の1がマイナスなので、全体的に好調とはいえないようです。
では鉄鋼はどうしてそんなに好調なのでしょうか?
理由は、自動車向け鋼材を大幅値上げしたことにあるようです。
一方、精密機器メーカーの苦戦はなぜでしょうか。
調べると、コロナ禍によりインバウンド需要がなくなり、高級時計などの高級品が苦戦していること、リモートワークが増え、都心の事務所をなくす会社もでてきて、オフィス機器も伸びないなどの理由があるようです。
ですが富士フイルムなどは早々にヘルスケア部門にテコ入れし、来年の業績は明るい見通しとのこと。
業績が反映しやすい賞与だけに、この冬はまた違った様相になるかもしれません。
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