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認知症基本法が成立~「認知症」の定義は介護保険法から

認知症基本法が本日2023/6/14、参院本会議で全会一致により可決することで、成立しました。

「認知症の人が尊厳を保持し、希望を持って暮らすことができるよう、施策を総合的に推進する」ことを目的に掲げ、今後、首相を本部長とする「認知症施策推進本部」が設置されるなどの動きがある予定です。

この、「認知症」という状態、昔は「痴呆」と呼ばれていました。

それが、2004年に厚生労働省から「認知症」と言い換えるのが適当だという意見がだされ、2006年の介護保険法改正でもそれが採り入れられました。

痴呆という言葉は侮蔑的な表現であり、早期発見・早期治療のさまたげになるというのがその理由です。

確かに、さげすまされているニュアンスのある病になっているかもしれない、とまず認めることから治療は始まりますが、そう認めることは、自身も家族も難しいものです。

これが当時の厚生労働省からの提案です。

その後、この「認知症」という言葉は、介護保険法で定義されることとなりました。

現在は、介護保険法第5条の2にこのように明記されています。

「認知症」という病名はない、と言われたりもしますが、認知症があらわす症状を、神経変性疾患と、脳血管疾患に分けてあらわすようになったのも、2015年の改正から。

医学の進歩により、これからもまだまだその定義は変わっていくと思われます。

そんななかで、この認知症基本法が成立したことにより、認知症にかんする法整備は、介護保険から、この新法にうつることになります。

新法での認知症の定義は、今現在は、介護保険法の定義をうつしたものです。

これから、認知症にかんすることは、介護保険法からはなれ、この新法で決められることが多くなっていきます。

介護保険法にくらべると、認知症についての国や地方公共団体の役割、そしてそれだけではなく、事業者や、私たち国民の責務まで定められています。

ちなみに私たち「国民の責務」は、こうです。

国民は、認知症に関する正しい知識を持ち、認知症の予防に必要な注意を払うよう努めるとともに、認知症の人の自立及び社会参加に協力するよう努めなければならないこと。

認知症の治療薬の進展もあるなか、認知症に特化した新法の成立意義は、そういった医療や社会の変化をいち早く取り込んで速く施策を動かしていくことにあると思います。

推進本部設立の動きなど、私たち国民もますます気にかけていきたいところです。

アイキャッチは画像生成AIで作成しました。
プロンプト: 認知症、社会で支える、自立する

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