見出し画像

女性の働き方はM字カーブからL字カーブへ~働く人は増えたけど非正規が多い


5/30に開催された厚生労働省管下の研究会、「今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会」第8回が、7回までの議論を経て、提案内容の案をまとめました。

なかでも、女性の働き方をめぐる課題は、ひとつの問題が改善した結果、あらたな課題がみえてきています。

それが、M字カーブからL字カーブへの変化です。

M字カーブというのは、日本経済新聞の「きょうのことば」でも取り上げられたことばで、20代後半から30代にかけての女性が結婚や出産などの理由で働き手になっていないため、女性の労働力をグラフで示すとそこの部分がくぼんでM字に見えることから名付けられた言葉です。

M字カーブとは 女性の労働力、30代で低下:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCA316L90R30C23A3000000/

実際のグラフをみると一目瞭然。
この、まだ若干へこんでいる30代の部分が、以前はもっとへこんでいたので、M字のように見えていました。

ところが、そのへこみは近年だいぶ盛り上がってM字は解消しつつあります。

つまり、結婚や出産でお仕事をやめる人が減ったということです。

これはこれで喜ばしいことですが、そうなると、今度は別の問題が見えてきました。
それが、L字カーブです。

上の赤いラインがL字カーブ。
これは、正規雇用の比率のことです。

大学を出て就職したた22歳から29歳までで過半数を超える正規雇用比率は、30代からがくんと落ちてます。

その後、M字カーブのように回復すると思いきや、そのままずっと下がる一方なので、L字カーブです。

これは、結婚や出産に際して仕事をやめるひとの多かったかつての事情が、まだまだ根深いことのあらわれです。

ようするに、結婚したり出産したりして、必要になる家事と、いわゆる正社員として働く時間とは両立できない、ということについては、事情はかわっていないからです。

いまの労働市場をみると、正社員の求人は以前より多くあり、求人倍率も2倍ほどあるので、その気になれば職はあると思います。

ですが、女性たちが、その気にならないということだと思います。

フルタイム働いて、家庭と育児をやって、という生活よりも、働く時間はそれなりでよい、と思っている人が多いということです。

現に、同研究会の資料では、子が小学校低学年くらいまでは、残業しない働き方や、柔軟な働き方をのぞむひとが半数を超えています。

結婚・出産のために仕事をやめる人がかなり少なくなった今、正規雇用がもっと柔軟な働き方に増やすことが、次なる課題となります。

アイキャッチは画像生成AIで作成しました。
プロンプト:育児休業、M字カーブ、仕事との両立

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?