#1 サッカー素人が疑問に思う、「スペイン人が日本人選手に毎回言うこのセリフ」

「強くいけよ！！」ってどう言う意味？

まえがき

私はサッカーを知らないし、日本のサッカー教育現場もよく知らない。

サッカー戦術に関するスペイン語を日本で使われている専門用語に訳す事なんて死んでもやりたくない。

あくまで立場はトレーナー、身体面の専門家。

だから「日本が」とか「スペインが」とか言いたいわけじゃなくで、純粋に「何でスペインに来る日本人選手は誰もがスペイン人に同じ事を言われるのかな」の疑問を伝えたい。

今までスペインでサッカー留学やサッカークリニック、チーム練習参加、大会参加…、きちんと数は覚えていないけど、ざっと1000人は超えていると思う。

スペイン語が分かり、且つスペイン人監督の言葉を近くで聞ける立場にあるからこそ、彼らに対してのもどかしさもある。

そんな若き挑戦者達にスペイン人が投げかける「共通点」がいくつかある。

これからスペインでサッカー選手になる事を夢見ている選手達に、「ヒント」と言う形で伝える事ができたらなと思います。

評価される日本人選手

去年8月、プレシーズンのトライアウトに3人の日本人選手が参加していました。

結果から言うと、そのうちの1人が監督の目に留まり、契約を勝ち取りました。

「ボールを持った時の技術、言葉が理解できないな柄にも高いサッカーIQを持っている」

契約の決め手はこれでした。

14〜15人既に契約が決まっていた中で残り5〜7枠を1人の日本人が勝ち取った事は事実。

日本人選手の繊細なボールタッチやパスの正確さ、足元から離れないドリブルは確かに世界から評価されるものです。

シーズン終盤を迎えて

誰もが「きっと彼は活躍している」と思うでしょう。

しかし彼が出場した試合は28試合中わずか5試合。

監督が彼に投げかける言葉は「強くいけよ！！」これだけなんです。

ポジショニングや技術、サッカー選手としての私生活、その他諸々…に関しての彼の評価はととても高いです。

たった1つ「強くいけよ！！」これを理解しているか・してないか、これ誰が試合に出れるかどうかを決めています。

これは決して彼だけに言える事ではなくて、「スペインに来る日本人選手の多くが共通して言われる言葉」です。

「強くいけよ！！」ってどう言う事？

サッカーを知っている人は「正面の1対1守備の事に決まってんじゃん」って思うと思います。

はい、その通りです…

「Fuerteeeee!!」って叫ぶんです、監督達は。

高いブロック、中間のブロック、低いブロック、サイドバックのカバーにボランチが入る、パスコールをなくす…その他諸々色々言っているけど、特に評価が分かれるところは「Fuerteeeee!!」です。

これはもちろんスペイン人選手も例外ではなくて。

どれだけサッカースキルに恵まれていても、マイボールにする事ができなければ宝の持ち腐れで。

気がついた違い

「強くいく」にはもちろん身体の大きさは関係あると思います。

でもそれ以上に大事なのは「相手の足を飛ばすくらいの気持ちでボールを取りに行けるか」で。

負けると分かっていても自分より身体の大きい選手にアタリに行かないといけない。

この時、日本人選手は何かナヨナヨして見えてしまうんですよね…

逆にスペイン人選手は「The・壁」に見えるというか…

いつも選手を観る時に「全身」を観察するためにしゃがんで姿勢をとっています。

iPhoneで撮影する時も本体を逆さにしてレンズを下にするとより映えると言うあれと同じです。

いつも通り観ていると、「あ、これかも」と原因に気づきました。

「身体の軸が相手に対してどこにあるか」

日本人選手の多くは身体を横斜めに倒して脚を伸ばします。

それに対してスペイン人選手は軸を傾ける事なく相手に向かって行き、その後に身体を入れたり脚を伸ばしたり…

確かにそのポジションを取っていた方が、その後の抜かれてもボールを奪ってもすぐに次の行動に移れます。

スペイン人からすると日本人選手の守備を「身体を逃している＝闘えない」と言うように評価してしまします。

日本人選手の方がファールは取られにくく安全かもしれませんが、ボールを奪って攻撃する・相手の攻撃を遅らせりると言う点では評価されにくいです。

日本の育成現場ではどのような指導・評価をしますか？

きっと正解はないし、その時その時で方法は変わってくると思います。

あくまで「スペインに挑戦しに来た多くの日本人選手に対する評価」なので、中には「とても闘える選手」と太鼓判を押される選手もいますし、スペイン人選手でも「闘えない選手」もいます。

ただ幼い頃から生きるか死ぬかを経験してきているスペイン人選手達の方が「闘う」と言う意識が高く感じるのは事実かなと思います。

私の見解なので、「こう言う評価をする監督がスペインには多いんだな」、「スペインで活躍するための1つのヒントだな」くらいに思って貰えればと思います。