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『小学校受験-リケジョ母の完全戦略と突破口』 お受験突破は分析と戦略が全て、お守りなんて必要ない!–全て本音で伝えます!–

注)小学校受験は私立も国立もありますが、全て文中では私立と書いてあります。母親が主語のことが多いですが、もちろん父親目線でも!


私立小学校の世界は一見キラキラしていて、おハイソで、憧れるかもしれません。確かに私立小学校は施設も素晴らしい、イベントも豊富、縦のつながりも横のつながりも広く、充実しています。

同時にお受験は関東や関西のごく一部を中心に繰り広げられる異様な世界。
その世界はあまりにも小さくマニアックなのに、一歩足を踏み入れると沼のようにハマるのです。
どうしても手にしたい合格、手が届きそうな憧れの世界、そして最愛の子供のためならなんでもする親。
でもここにたどり着くまで、正確には子供が受験を迎えるその年の11月までの準備期間は想像以上に過酷です。

まさかこの私が!と思っていても、目の色が変わり、他人を羨み、我が子を責め、夫婦喧嘩が起こります。それでもキラキラを装い、できる母親を演じ、こんなはずじゃないのに!と悔しい思いもするでしょう。中には友人と縁の切れる人もいます。家庭が崩壊することもあります。私は実際に何度もそのような母親の姿を見たことがあるし、冷静沈着が取り柄だと思っていた理系の私でさえ、自分自身を危うく見失いかけたことがあります。以前は何百億円でも平然と取引するトレーダーだったのに、子供のことになると冷静さを失います。

ではなぜそこまでお受験の世界は厳しく、時に理不尽で母親が大変な思いをするのでしょうか。答えは簡単。自分の子供が誰よりも可愛くて、輝いていて、選ばれて当然だと思っているからです。そうか、輝いている子が選ばれるならまさに「うちの子」だわ!こそが危ない思想であり、母親にとっては当たり前の考え方なのです。親ばか心理が色濃く炸裂するのがお受験の世界なのです。どうしても私情が切り離せない、せっかく全てをプラニングしても心がなかなかその通りに動かない、それがお受験の難しいところです。そして楽しく頑張りがいのあるところでもあります。

ゴールは明確、それはもちろん合格。そしてそのゴールに向かって家族一丸となり、最愛のコマを動かさなければいけない。
お受験はまるでチェスの試合。冷静に、客観的に考えながら戦略を練り、試練があれば克服し、一歩ずつ進みながらチェックメイトを取りに行く。

そうです。冷静に戦略を立て、分析できればきっと合格を勝ち取ることができます。冷静になれるのなら! (←超難しいから)

私は今まで息子の幼稚園受験、小学校受験、そして娘の幼稚園受験、小学校受験を経験しました。その間に海外駐在もあり、海外でも受験を4回ほどしました。全て第一志望に合格をさせ、それ以外の学校からも多くの合格を頂きました。これは自慢ではなく、マウンティングでもなく、さほど子供が優秀だったわけでもなく、私が色仕掛けを使ったわけでもなく(笑)、頭脳戦から得た戦略と努力の結果です。では超理系、公立育ちで帰国子女の私がどうお受験を分析し攻略したかをお話ししたいと思います。

少々言葉が荒く、本音すぎる箇所もあると思います。
オブラートに包んでも伝わらないと思いますので、どうぞお許しください。



【目次】

1. 小学校受験をする目的–手に入れたいものはなに?
・ お受験に投資する価値はあるのか、リスクリターンを見極める
・ 小学校受験はいくらかかる?その後の学校の授業料は?
・ 私立小学校のメリット・デメリットをしっかり考える

2. 小学校に偏差値はあるのか–そんな物ないわ!
・ 一応は存在する偏差値表
・ 中学受験とはまったく違う考え方

⒊ まずは志望校選び–データ集めは必ず自分で
・ まずは親がデータを集める、細分化してカテゴライズせよ
・ 調べる、足を運ぶ、他人の情報を当てにしない

⒋ 幼稚園か、保育園か、プレスクールか
・ 今時の小学校受験は決して保守的ではない
・ カタカナネームには要注意?

⒌ ノイズを断ち切るものがお受験を制す–バサっと!
・ 井戸端会議は時間の無駄。一匹オオカミも悪くない
・ 毎年出てくる〇〇らしいは聞く価値なし
・ 変人になって何が悪い

⒍ 難関!重要!お教室選び–客か、同志か
・ 大手か、個人か、水晶玉おばさんか
・ 合格者数は合格率ではない、分母が大切
・ 大手、中堅どころ、個人、学校や技術特化型を使いわけよう

⒎ 子供は親のために受験する
・ ママと一緒なら懸命に頑張る
・ できないことを理解する、大人と一緒にしないで


⒏ 縁故って何?そんなに悪いもの?–理解して攻略
・ まずは縁故を理解する
・ もし私が校長なら少しは縁故を取りたい
・ 不合格を縁故がないせいにしてはいけない
・ 縁故があるからといって全く油断はできない
・ 縁故なしでも同じ土俵に立てるように準備


⒐ さて、願書どうしようか?–縁故を超える願書の書き方
・ 行を埋めるのではなく、書ききれないほどの思いを詰め込む
・ 人様の子供のことを書いている場合ではない
・ 誰が言おうと両親の思いを最優先するべき
・ 一番大切なこと–第一志望アピール


⒑ 子供は博士にすれば魅力が増す–この技、使っていいよ
・ 何か一つの生物をとことん極める
・ 誰よりも詳しく、誰よりも好きに、誰よりも自信を持って
・ 唯一外さない絶対の勝負ネタ

11. 将来の夢は「なんで」で導く–正解はない
・ 背伸びしなくていいと思う
・ 大切なのは理由付け

12. 輝く子供って何だ?–まずは問題解決能力
・ 学校が最も子供に求める姿勢
・ サバイバル能力を頭で身につける
・ 臨機応変に対応出来る子供とは
・ 面倒くさいに蓋をしろ


13.早生まれは損なのか?–ぜーんぜん大丈夫さ!
・ 逆に早生まれは得かもしれない
・ 中受にはない、月齢考慮という素晴らしい制度


14. もし自分が先生だったら?
・ 先生だって人間です、忘れちゃダメよ
・ 自分ならどんな子を取りたい?


15. 模試、受ける?
・ ついでに練習校は受ける?
・ 練習校は精神安定剤になり得る


16. 受験が終わっても誠心誠意で
・ 立つ鳥あとを濁さず
・ 辞退はすばやく、心を込めて
・ 幼稚園に迷惑をかけないように


17. (おまけ)嘘のような本当の話
・ 最後にクスッと笑ってください。
・ アンビリーバボーなお受験実話


18. 辛くなったら読んでください
・ 受験の直前にも読んでください
・ 自分に拍手、晴れやかに拍手、悔しくても泣いても拍手


19. それでも不合格だったら
・ 運命のいたずらか、これがご縁なのか
・ なぜ自分が落ち込むのか客観的に理解しよう


20. 最後に


21. 追記 母親の洋服や靴、お顔がお派手?
・ 自信がつくまで追求せよ
・ 母親の生活感は絶対的な必須アイテム
・ 高いスーツは必要なの?


22. 追記 実際に通って良かったお教室ってどんなところ?

・子供と向き合うのはもちろん、母親と向き合えるお教室
・ 慶進会、ノイ幼児教室、メリーランド教育研究所


23. 追記 家や海外でもできるおすすめ教材
・ 通信教育ってコスト的にも、差別化でも画期的かもよ?



⒈小学校受験をする目的

手に入れたいものはなんだ?その後の受験の回避か、それとも・・・

この記事を購入するということは、読んでくださっている方はお受験をする方、またはお受験を前向きに検討している方だと思います。ではなぜ幼稚園受験、または小学校受験をするのか、その理由は明確ですか?

最初はなんとなく、でいいのです。幼稚園のお友達が受験するから、誰かに受験向きだと言われたから、そんな適当な動機でも良いと思います。しかし東京都内で、本気を出してフルコースで小学校受験に取り組む場合、年長の夏期講習だけで100万円を超えたりします。通常授業をいくつものお教室で掛け持ち、年間授業料はざっと100万円。直前講習で50万円。模試で10万円。それ以外にお受験服を揃え、上履きを買い、受験料を各校3万円ほど払い、合格したら第一志望じゃなくても入学金を25万円ほど振り込み、年長の1年間に費やすお受験費用は300万円近くになることも十分にありえます。

こんなにかける必要は全くないと言いたいところですが、やはりプロのお受験教室から学ぶことは多いです。しかも周りの子供達がフルコースなのに、自分の子だけ前菜だけでお腹いっぱいになってやる!ところまでメンタルをキープすることは難しいのです。やはり同じ、もしくはそれ以上のことをやらせてあげたいと願ってしまうのが親心。

では上限で見積もって300万円(いや、年少から準備したらその倍かも)の投資をして、リターンに何が得られるのでしょうか。その投資には価値があるのでしょうか。そこは各家庭の目的によって違ってくると思います。

私立・国立の小学校に行かせたい目的は漠然とこんな感じではないでしょうか。

・ 今後の受験を避けて、大学までエスカレーター式に進ませたい
・ 中学受験をするからこそ、全員で中受の勉強をする学校に行かせたい
・ 高校までは付属の国立小学校に行き、東大に進みたい
・ おっとりした性格なので女子校の方が合うと思う
・ 自分が出身の学校に子供も行かせたい
・ とにかく有名校に行きたい、憧れの制服を自慢したい
・ 優秀な子供に囲まれて育てたい
・ 自分と同じような価値観の親と共に子育てをしたい

上記のどれも立派な動機だとは思います。
では実際に受験をして入った学校の良さとはなんでしょうか。

それは、後になってはどうやっても手に入れられない【育ち】なのだと思います。
この【育ち】が公立出身の私にはありません。
最初は、私立=お行儀がいいことだと漠然と考えていました。
でもそんなものは育ちでもなんでもなくて、躾でどうにかなるものです。
箸の持ち方がきれい、字が美しい、楽器に長けている、聖書の内容を知っている、挨拶ができる、英語が話せる・・・それは全て技術であり、躾であり、教えられて身についたものです。
これは実は小学校受験をしてまで手に入れたい【育ち】ではないと思います。

もっと他に、多感な時期の子供が心で感じ取る【育ち】とはなんでしょうか。
子供たちは6年間、付属なら16年間、少なくとも小学校のうちは編入や転勤する子供も非常に少ない環境で、仲間と共に学び、切磋琢磨し育つのです。
学校、クラス、部活動で味わう一体感、絶対的に守り合う仲間意識、先生との密な関係。付属校なら先輩への憧れもあるでしょう。宗教があるなら早期からその環境に身を置き、学校のカラーに染まりながら早くも【愛校心】を持つのです。その【愛校心】は一生ものであり、友人も一生もの。その絆はうらやましいほどに強く、外部の人間が後から入り込むことは絶対にできないのです。

この【愛校心】が後ほど、合格を目指す上でとても大切なキーワードとなってくるので覚えておいてください。

私立小学校に入るメリットを考えつつ受験を決めると思うのですが、デメリットはどうでしょうか。

私立小学校に入学するデメリット
・ 学費が高い。教科書やイベント費、制服や交通費も合わせると年間の授業料は100万円〜150万円。少なくとも6年間は続きます。
・ 地元の友達ができない。公共の交通手段で学校に通うため、近所に同じ学校の子が住んでいる可能性は低い。公園に行っても知り合いがいない、放課後に誰かの家で遊ぶことも難しい。
・ 付属の場合、勉強をしなくなるという意見もありますが、これは個人で違うと思います。勉強を第一に考えるのであれば、確かに小学校受験より中学校受験の方が机に向かう時間は長いでしょう。
・ 入ってみて合わなかった時に、転校というチョイスはほぼない。学校を見極めても、担任が大外れの可能性はある。
・ 通学時間が長い



⒉小学校の偏差値とは

偏差値表はナンセンス!上も下も関係ない。

続いて、小学校の偏差値について考えてみましょう。
とある大手お受験教室がこのような偏差値表を出したことがあり、ネットで脚色され毎年更新されます。稲花はまだ載っていなさそうですね。

【男子 】

65 慶應幼稚舎
64
63 慶應横浜初等部
62 学習院初等科、成蹊
61 青山学院、暁星
60 立教、早稲田実業
59 精華
58 成城学園、桐朋、森村学園
57 東京創価、東京都市大付
56 国立学園、桐光学園
55 洗足学園
54 小野学園、桐朋学園、トキワ松学園、桐蔭学園
53 昭和女子大昭和、目黒星美学園
52 星美学園、東京文化、聖ヨゼフ学園
51 晃華学園、宝仙学園、明星、開智学園
50 淑徳、清明学園、明星学園
49 むさしの学園
48 国本、鎌倉女子大、さとえ学園
47 捜真、西武学園文理
46
45 国立音楽大附、和光、カリタス、浦和ルーテル学院
44 聖学院
43 日出学園、聖マリア、成田高等学校付
42 武蔵野東
41 和光鶴川、清泉、昭和学院
40 啓明学園、聖徳学園、自由学園
39 玉川学園、東京三育、関東学院、聖徳大附、星野学園
38 聖ドミニコ学園、文教大学付、聖セシリア、横浜英和
 
【女子 】
67 慶應幼稚舎
66 雙葉
65 学習院初等科、慶應横浜初等部
63 聖心、立教女学院
63 日本女子大豊明、横浜雙葉
62 白百合学園、成蹊
61 早稲田実業
60 青山学院、田園調布雙葉、東京女学館、東洋英和女学院
59 光塩女子学院、成城学園、カリタス、森村学園
58 東京創価
57 昭和女子大昭和、湘南白百合学園
56 国立学園、晃華学園、精華
55 桐朋
54
53 洗足学園、桐光学園、国府台女子学院
52 聖ドミニコ学園、明星、捜真
51 小野学園、トキワ松学園、東京文化、東京都市大付
50 聖学院、桐朋学園、目黒星美学園、清泉
49 淑徳、桐蔭学園、開智学園
48 聖ヨゼフ学園、西武学園文理
47 星美学園
46 川村、聖セシリア、さとえ学園
45 聖マリア
44 横浜英和
43 和光、鎌倉女子大
42 国本、清明学園、宝仙学園、むさしの学園
41 武蔵野東、昭和学院
40 国立音楽大附、玉川学園、和光鶴川、成田高等学校付
39 日出学園、星野学園
38 聖徳学園、明星学園、関東学院、千葉日本大一
37 自由学園、文教大学付、関東学院六浦、相模女子大、聖徳大附、浦和ルーテル学院
36 啓明学園、東京三育、東星学園、函嶺白百合学園、湘南学園、横須賀学院、横浜三育


この偏差値表ほどナンセンスなものはありません。
例えばこの表の偏差値46の学校に落ちても、62の学校に受かる。
それが小学校受験です。

子供には筆記試験だけでは計り知れない要素がたくさんあるのです。
そこを見抜き、見抜かれ、親子で模索しながら、なかなか見えないゴールに突き進むのが小学校受験です。
では筆記試験の出来以外にどんな要素があり、どう磨いていけばいいのかを考えてみます。

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