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はじめてのレース 第27回 藻岩山ヒルクライム(2020/08/16)

はじめてのレースである藻岩山ヒルクライムが終わった。
とにかく楽しくて苦しくてがむしゃらな約20分間。
たくさんの反省点や後悔がありつつも、楽しく最高の思い出となった。

来年の私の指標となるように初めてのレースレポートを書いてみる。


レース詳細

レース名 : The27th Mt.moiwa hill climb(第27回 藻岩山ヒルクライム)
日時 : 2020年8月16日(日)6:00~6:45スタート
天候 : 曇り、頂上付近は霧による小雨  20℃
クラス : L
出走 : 5名
場所 : 札幌市南区北の沢 藻岩山観光道路入り口
主催 : 札幌自転車競技連盟


コースプロフィール

3.7km 獲得標高303m 平均勾配8%

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最後の激坂前がゴールになっていた。
ゴールの箇所を勘違いしたままスタートしてしまった。


目標

回すペダリングを意識して全力で頑張る。
細かい目標は以下のとおり。目標タイムは20分。

【Strava Moiwa.segment1 スタートからP1まで】
1.3km 平均勾配7.1% 97m  目標6分

【Strava Moiwa.segment2 P2とP3の中間まで】
1.1km 平均勾配8.5% 99m 目標6分

【Strava Moiwa.segment3 P2とP3の中間からゴールまで】
1.4km 平均勾配8.9% 132m 目標8分


目標タイムは最後の激坂を含むタイムとなっている。
憧れのヒルクライマーである坂が大好きなゆかりんさんのStravaデータをもとに各セグメントを+30秒ぐらいで設定してみる。


リザルト・パワーデータ

当日のTSS(Training Peaks)
FATIGUE 57 FITNESS 73 FORM 17

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4位 18分42秒 トップ差2分13秒

【Strava Moiwa.segment1 スタートからP1まで】
1.3km 平均勾配7.1% 97m  5分48秒

【Strava Moiwa.segment2 P2とP3の中間まで】
1.1km 平均勾配8.5% 99m 6分5秒

【P2とP3の中間からゴールまで】
6分49秒

※Strava Moiwa.segment3は短縮ルートのためなし。

想定どおり。segment1は目標よりも数秒稼げたけれど、segment2でタレる。最後は頑張った。

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NP220W(3.8W/kg) 81rpm

信じられない!
こないだ実走でFTPが181w→191wになったばかりなのに、約19分217wを出せた。NPは220w 初めて見る数字だ…
FTPよりも26w高い数値で19分走れたことになる。火事場(レース)の馬鹿力ってすごい。
1分足りないけれどFTP206wってことにしていいかな。ただトレーニングが辛くなるだけかな。

女性としては比較的高いパワーを出せてもPWRは3.8倍。
なぜなら、それはデブ……体格が良いから。辞めるとは言えないけれど、甘いものとお酒を控えよう。


タイムスケジュール

3:00 起床
3:30 朝食
4:15 出発
5:30 到着
5:45 受付
6:00 アップ
6:30 整列
6:42 スタート


前日まで

今回のレースはコロナ対策ということもあり、去年までのマスドスタートではなくランダムスタートによるタイムトライアル形式となった。

ちょっとほっとした。

例年のように大人数のスタートだとクリートキャッチをスムーズにしないと後ろの人に迷惑をかけてしまうし、私を抜きたい人の邪魔になってもいけない。その点、タイムトライアル形式だと自分のペースで走れるからすごくすごく緊張するであろうスタートを余裕を持って迎えられるだろう。

そんなことを考えながら、当日までYouTubeで藻岩山ヒルクライムの動画を見る。ひまさえあれば動画を見る。もうBGMも覚えてるし飽きてるけれどまだ見る。勾配やコースをできるだけ覚える。

藻岩山はレースの日にしか実走できないので動画でしか道の様子や勾配はわからない。

しらすさんの家でも藻岩山ヒルクライムの動画を見ていたら、「よし!藻岩山へ行こう!」と藻岩山へ連れていってくれた。
出来るだけゆっくりと車で当日のコースを走ってもらいながら道の様子を実際に見ることができてイメージがつかめた。

しらすさんありがとう。YouTube動画を上げてくれた人もありがとう。感謝の気持ちで、太るのにソフトクリームを食べてしまう。ダイエットしているのにこの意思の弱さったらない。

藻岩山ヒルクライムに出ると決めたのはレースの1ヶ月前だった。
体重が重い私はヒルクライムが苦手だ。平坦ルートか坂ルートか聞かれたらためらうことなく平坦ルートを選び、上るたびに坂に悪態をつく。
なぜこの道を坂にしたのか道を作った人をうらむ。

すべての坂を平坦にしたい。
そのレベルで坂が嫌い。

そんな私がなぜ藻岩山ヒルクライムに出るかというと、次の週にモエレ沼タイムトライアルがあるからだ。
モエレ沼TTが初レースになってしまうと緊張でガチガチになるだろう。私が大好きなTTの時にガチガチに緊張しないためだけに藻岩山ヒルクライムにエントリーした。


なのにエントリーしたらしたで、朝早起きして手稲山に通い小橋さんに言われたトレーニングを繰り返した。
せっかくエントリーしたんだから、後悔のないように頑張ろう。

同時に1ヶ月でどこまで絞れるかわからないけれどダイエットも始めてみた。


小橋さんに言われたとおりにブチルチューブからラテックスチューブに入れ替えた。
前日はバイクを少しでも軽くしようと、ボトルケージも外して、ハンドルにゴテゴテついているレックマウントも外して純正マウントに変更した。

涙ぐましい努力で自転車の重さは7.67kg→7.45kgになった。
自転車の世界では100グラム1万円の法則があるという。
つまり2万円分軽くなったということだ。すごい。

1ヶ月のオートミール生活で体重は2kg痩せた。前日にお米を食べたら1kg戻った。
つまり10万円分戻ってしまったということだ。すごい……。


ゆかりんさん、ピナすけさん夫婦から「行けたら応援にいきます!」と連絡が届いたけれど、今年は駐車場もなく応援の方は徒歩のみで道路へ侵入禁止と伝えてお気持ちだけもらう。ゆかりんさんからはアドバイスもたくさんもらう。
お二人から、Stravaで応援の言葉をくれた方から、力をもらう。

初めてのレースだけど一人じゃない。
ありがたい。


当日の朝

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当日の朝、前日までの天気予報で晴れだと思いこんで外に出たら小雨が降りそうなどんよりした曇りだった。
自走で17kmなのでアップをしながら会場へ向かう。
盤渓は路面が完全ウェットだった。前日きれいにしたチェーンがじゃりじゃりになり気分が落ち込む。

1回パンクしても間に合うように時間に余裕を持って家を出たら、余裕すぎて1時間も前に着いてしまった。
ほぼ一番のりだ。

ほぼスタッフの方しかいない会場で忙しく受付の準備をしているスタッフの方に「受付はまだでしょうか?」などと聞いてしまう。
「まだです!」と答えてもらうが、設営しているスタッフの方に迷惑をかけたかもと落ち込みながら会場のはしっこに立っていた旗の土台のコンクリートに座る。

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続々と集まる人達がみんな速そうにみえて自分が場違いに感じて緊張してくる。

皆さんが立って待っているのに一人で座っててごめんなさい。1時間も待ってるんです。ゆるしてつかあさい。

とか思いながら、スマホを見ているけれどスマホの中身は頭に入ってこない。


しらすさんからアドバイス満載のLINEがとどく。うれしいなぁ。ありがたいなぁ。緊張がちょっとやわらぐ。

スタート20分前から最終アップを行う。
1分間高回転走を4回。

自転車に乗ったら楽しくなってきた。だいじょうぶ。はしれる。これから自転車乗るよ。楽しいよね。


レースレポート

やっとレースレポートです。

今年はタイムトライアル形式なので、ソーシャルディスタンスに配慮した白線に並んでスタートを待つ。
ランダムスタートなので自由に並んでよいのだが、女性が並びはじめない。できれば女性のうしろに並びたい。

レースで上位入賞常連のOさんが進んだので、そっと私も後ろにつく。

Oさんが笑顔で声をかけてくれる。

「がんばろうね!」
「はい!がんばりましょう!」

いやいや。がんばりましょうって、初レースの立場のぺーぺーからベテランの選手に対してえらそうすぎだろう。

「がんばります!!」

言いなおす。

少し緊張がやわらいだ。Oさん優しいし可愛いのに速いなんてズルい。

YURIFitCLUBで見かけたことのあるジュニアの選手がスタートしていく。心の中で「頑張れ!」と応援する。

そして、Oさんがスタートした。
斜度7%ぐらいの坂をかっ飛んでいく。

今年の目標はOさんに出来るだけ付いていくことだ(さっき決めた)。

このペースでいかれると無理なのでは…と弱気が出るが、なんとかなるさと私も30秒後にスタートする。

サイコンをちらっと見ると350wと表示されている。
あぶない。こんなペースで最後までいけるわけないし、回すようにと小橋さんにアドバイスをもらったのに、早速踏んでいる。
回すことを意識して少しペースを落とす。
一番軽いギア(32T)は最後の激坂までとっておき、28Tで回していこう。

と思ったら、すでに32Tを使っていた……。


もうギアが無いんですけど!


と焦るが、無いものはしょうがない。
以前、坂を上っているときのしらすさんとのしょうもないやり取りを思い出す。

「もうギアが無い!」
「どうしたの?ギア盗まれたの?」

ルパンじゃあるまいし、ギアはなかなか盗まれないし、たしかに軽いギアは坂ではあなたの心のように一番大事なものだけど。
ツボに入ってずっと笑っていたことを思い出してちょっと落ち着く。

そうこうしているあいだに、30秒後にスタートしたMクラスの方に抜かされる。もいっちょ景気よく1分後にスタートしたMクラスの方にまた抜かされる。

焦るけれど、こちらも現時点で280w出ているので限界を超えているのです。

じりじりと離されてはいるけれど、前方にまだOさんは見える。

Segment1に着いてタイムを確認すると目標の6分以内だった。
でも、このタイムではゆかりんさんのタイムである19分台は出せない。

もっとペースをあげたいけれど、脚や呼吸に限界を感じる。
segment2は今のペースを維持しよう。

Oさんは霧のなかに消えていってしまい、一人で前も後ろも真っ白な世界の中、淡々と回す。
ふとサイコンを見ると180wと表示されていて、なにこの脚は勝手にやすんでるの!と慌てて踏みなおす。
その後、もうつらいよ…やすみたいよ…と思うごとに、下山中の方から声かけをもらい頑張りなおす。

AnneauのMさんや、YURIFitCLUBでご一緒させてもらったTeamSCCの方から声をかけてもらい力をもらえました。
他にも「がんばれ!」と言ってくれた方、ありがとうございます。
その言葉で頑張れました。

でも、segment2でペースが落ちる。目標の6分から5秒すぎてる。


P3の前で女性の息遣いが聞こえてきた。

Yさんだ!

国際ロードレースにも出ていて、北海道内のレースでは1位総なめのYさんが藻岩山ヒルクライムに出てくれてさらに一緒に走れるなんて、そんな機会はめったに無いだろう。

あっという間に抜かされたが、Yさんから離されたくなくて必死でくらいつく。

脚も肺も限界だが、手元のサイコンすら見えない霧の中、電柱一個分離されたらYさんは見えなくなってしまう。
そうしたら私のレースも終わるだろう。


途中でスタッフの方に「今年はゴールまでの距離は短いよ。もうすぐだよ!」と声をかけてもらう。

もうすぐってどこー!!
Yさん、うしろにハァハァうるさい人がいてごめんなさい。

とか思いながら、Yさんの背中を見ながら必死に頑張る。


やっと霧の中にゴールが見えた時は、もうゴール直前だった。
そこから必死に踏む。ダンシングする力は残っていなかった。


Yさんの力強い走りを後ろから見れて幸せだった。

Oさんも頂上で笑顔で迎えてくれた。
Oさんつよすぎ。

なにか出そうなぐらいハァハァしていたらYさんと同じチームのAさんが笑顔でゴールしてきた。
Aさんもつよい。


苦手なヒルクライムだけど、全力を出せた。
強い人と一緒に走るのって悔しいけれど楽しい。


もっと練習を頑張ろう。


反省点

ゴールの場所はプログラムに記載されていたのに見逃してしまった。
次回からきちんとコースを把握すること。

途中でいったん脚をゆるめてしまった。
最後まで頑張り続ける精神力を持つこと。

体重を落とせなかった。
食べるなら運動する。できるだけお酒と甘いものを控える……。
ごはんとおやつって美味しいよね。

最後に、今年はレースに参加することは難しいと思っていました。
コロナ対策を万全にレースを開催してくださった札幌自転車競技連盟様に感謝します。

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